Rasterize
Rasterize[expr]
expr の表示形のラスタライズしたものを返す.
Rasterize[expr,elem]
expr のラスタライズした形式に関連した要素 elem を与える.
Rasterize[expr,{elem1,elem2,…}]
指定された elemiのリストを与える.
詳細とオプション
- 式 expr は,グラフィックス,テキスト,セル,ノートブックオブジェクト,その他の任意の式でよい.
- Rasterize[nb]は,ノートブックオブジェクト nb に関連付けられた完全なコンテンツのラスタライズされたバージョンを与える.
- Rasterizeが返す可能性のある基本要素
-
"BoundingBox" ラスタの境界ボックス情報 "Data" ラスタでの画素値の配列 "Graphics" ラスタを表すグラフィックスオブジェクト "Image" ラスタを表す画像オブジェクト "RasterSize" ラスタの画素による幅と高さ "Regions" Annotation構文で指定された範囲 - Rasterize[expr]はRasterize[expr,"Image"]に等しく,ノートブック中に expr のラスタライズされていない表示の近似をもとの画像と同じ大きさで表示する.
- デフォルトのスクリーン解像度 res で指定の size で表示された式は,次元が のラスタになる.
- Rasterizeには次のオプションが設定できる.
-
Background Automatic 使用する背景 BaselinePosition Automatic 周囲のテキストのベースラインとどのように揃えるか ImageFormattingWidth $ImageFormattingWidth ラスタライズする式のラッピング幅 ImageResolution $ImageResolution ラスタライズのためのdpiによる画像解像度 ImageSize Automatic プリンタ用ポイント数による最終的な表示画像サイズ RasterSize Automatic ラスタライズのための画素によるラスタサイズ - RasterSizeおよびImageResolutionはどの程度の粗さでラスタにするのかを決定する.ImageSizeは最終的な画像が表示される大きさを決定する.
- RasterSizeに明示的な設定値が与えられている場合,それは,ImageResolutionの明示的な設定値に優先する.
- RasterSizeあるいはImageResolutionの設定値が小さいとき,グラフィックスは粗くなり,テキストは読めなくなることがある.エイリアスに関しての,不可逆圧縮に伴う副作用があることもある.
- RasterizeでのImageSizeとBackgroundの設定値は,expr におけるそれらのいかなるオプションにも優先する.
- Background->Noneは透過的な背景のラスタを返す.
- 明示的な大きさや解像度のオプションが設定されていない場合,Rasterize[expr,…]は通常ノートブックで表示される大きさと解像度で expr をラスタライズする.
- Rasterize[expr,"RasterSize"]は{w,h}を返す.ここで,w はラスタの画素による全体的な幅であり,h は全体的な高さである.
- Rasterize[expr,"BoundingBox"]は{w,h,dh}を返す.ここで,w は全体的な幅,h は全体的な高さであり,dh は expr のコンテンツのベースラインの境界ボックスの底からのオフセットである.
- Rasterizeによって生成される画像は,主にフォントやアンチエイリアス処理の相違のために,コンピュータシステムによって若干異なることがある.
- Rasterize[expr,"BoundingBox"]の結果は,一般にコンピュータシステムによって異なるフォントの測定基準に依存することがある.
- Rasterize[expr,"Regions"]は規則のリストを{{a1,type1}->reg1,{a2,type2}->reg2,…}の形式で与える.ここで,それぞれの規則,{ai,typei}->regiは expr のAnnotation[expr,ai,typei]の形式の注釈,あるいはHyperlink,Tooltip等によって自動的に注釈と認識されるオブジェクトに関連している.regi は{{xmin,ymin},{xmax,ymax}}形式の画素位置を与える.この y 座標はHTMLの座標属性のように下から上に渡るものとする.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (11)
オプション (12)
Background (2)
ImageResolution (3)
ImageResolutionを使って希望の解像度を指定する:
画像の解像度はラスタサイズに影響するが,式の表示サイズには影響しない:
RasterSizeはImageResolutionを無効にする:
ImageSize (2)
RasterSize (3)
デフォルトのラスタサイズは式の表示サイズと解像度設定によって決定される:
RasterSizew を使って明示的な式の幅を指定する:
RasterSize{w,h}を使って幅と高さの両方を指定する:
RasterSizeはImageResolutionを無効にする.異なるRasterSizeを使う:
RasterSizeを指定する:
アプリケーション (3)
特性と関係 (2)
考えられる問題 (1)
ImageSizeはポイント単位なので,結果の画像の画素次元とは一致しないかもしれない:
画素次元の指定にはRasterSizeを使う:
テキスト
Wolfram Research (2007), Rasterize, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Rasterize.html (2020年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2007. "Rasterize." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2020. https://reference.wolfram.com/language/ref/Rasterize.html.
APA
Wolfram Language. (2007). Rasterize. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Rasterize.html