MatrixPower

MatrixPower[m,n]

行列 mn 乗を返す.

MatrixPower[m,n,v]

行列 mn 乗をベクトル v に適用したものを返す.

詳細とオプション

  • MatrixPower[m,n]は,行列自体を n 乗した積を効率的に評価する. »
  • n が負の場合,MatrixPowerは行列 m の逆ベキを求める. »
  • n が整数ではなければ,MatrixPowerは事実上この関数についてのベキ級数を評価する.通常のベキは行列ベキで置換される. »
  • MatrixPowerは,正方行列に限って機能する.

例題

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  (4)

記号行列を2乗する:

これは である:

記号行列の逆行列を2乗する:

これは TemplateBox[{m}, Inverse].TemplateBox[{m}, Inverse]である:

行列を10乗する:

これは各項を10乗するのとは違う点に注意のこと:

記号行列ベキを計算する:

スコープ  (15)

基本的な用法  (9)

機械精度行列を正の整数ベキ乗する:

これを分数乗する:

複素行列を2乗する:

厳密行列を整数乗する:

分数乗する:

任意精度行列の負の整数乗:

無理数乗:

記号行列を整数乗する:

行列を記号乗する:

機械精度の大きい行列の累乗が効率的にできる:

単一のベクトルに累乗を直接適用すると,さらに効率的である:

有限体の元を含む行列の整数乗:

これを負数乗する:

CenteredInterval行列を整数乗する:

m のランダムな代表 mrep を求める:

mpowMatrixPower[mrep,17]を含むことを確認する:

特殊行列  (6)

疎な行列を正の整数乗した結果は疎な行列として返される:

結果をフォーマットする:

疎な行列を他の数で累乗すると通常の行列になることが多い:

疎な配列の累乗を疎なベクトルに直接適用する:

構造化配列を累乗すると,可能な場合は構造化配列が返される:

しかし,これは常に可能な訳ではない:

IdentityMatrixを任意の数で累乗するとそれ自身になる:

より一般的には,任意の対角行列の累乗はその対角要素の累乗である:

HilbertMatrixを負の数乗する:

次数の一変量多項式の行列の乗を計算する:

アプリケーション  (5)

差分方程式 の定係数系の基本解を求める:

MatrixPowerを使って基本解 を定義する:

これが,方程式を満たすことを示す:

これは基本解の初期条件を満たす:

完全セットの固有ベクトルを持たない行列について行列指数を求める:

各項のベキ級数として指数を計算する:

回転行列を繰り返される微小変換の極限として構築する:

疎な正定値行列の最小固有値についての逆ベキ再帰:

m.v-val vの誤差をチェックする:

最大固有値にシフトされた逆ベキ再帰:

m.v-val vの誤差をチェックする:

行列多項式を評価する簡単な方法:

固有多項式を評価する:

特性と関係  (10)

正の整数ベキ について,MatrixPower[m,n] 回)に等しい:

Apply (@@)を使って式をよりコンパクトに書く:

負の整数乗 については,MatrixPower[m,-n]TemplateBox[{m}, Inverse].TemplateBox[{m}, Inverse].....TemplateBox[{m}, Inverse] 回)に等しい:

Applyを使って式をよりコンパクトに書く:

負の行列ベキは特異行列については定義されない:

非特異行列 m については,MatrixPower[m,0]は恒等行列である:

m が正則行列の場合,MatrixPower[m, n].MatrixPower[m,-n]は恒等行列である:

非整数ベキについては,MatrixPowerは事実上PowerMatrixPowerで置換してベキ級数を使う:

同様に,MatrixPowerはベキについて適切な関数に適用されたMatrixFunctionである:

対角行列の行列ベキは対角項がベキ乗された対角行列である:

任意のベキ と対角化可能行列 m=v.d.TemplateBox[{v}, Inverse]について,MatrixPower[m,s]v.d^s.TemplateBox[{v}, Inverse]に等しい:

JordanDecompositionを使って対角化を求める:

恒等行列を確認する:

実対称行列 s と整数ベキ n については,MatrixPower[s,n]もまた実対称である:

同様のことがエルミート行列についても言える:

直交行列 o と任意のベキ s については,MatrixPower[o,s]もまた直交である:

同様のことがユニタリ行列についても言える:

JordanDecomposition から v.j^s.TemplateBox[{v}, Inverse]として計算できる:

は優対角ので説明される上三角ブロックを除いて零である:

Wolfram Research (1991), MatrixPower, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixPower.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1991), MatrixPower, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixPower.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1991. "MatrixPower." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixPower.html.

APA

Wolfram Language. (1991). MatrixPower. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixPower.html

BibTeX

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BibLaTeX

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