PositiveDefiniteMatrixQ
詳細
- 行列 m は,すべての非零のベクトル x についてRe[Conjugate[x].m.x]>0であれば,正定値行列である. »
- PositiveDefiniteMatrixQは数値行列と記号行列の両方に使うことができる.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (2)
スコープ (10)
基本的な用法 (6)
PositiveDefiniteMatrixQを任意精度行列に使う:
PositiveDefiniteMatrixQを記号行列に使う:
PositiveDefiniteMatrixQは大きい数値行列に効率的に作用する:
特殊行列 (4)
アプリケーション (15)
正定値行列の幾何と代数 (4)
正定値行列の起源 (6)
実非特異Covariance行列は常に対称かつ正定値である:
ベクトルが線形独立の場合,グラム行列は常に正定値行列である:
WishartMatrixDistributionから導かれた行列は実対称正定値行列である:
その逆行列は三重対角行列であり,これもまた正定値対称行列である:
行列Min[i,j]は,常に正定値対称行列である:
正定値行列の使い方 (5)
正定値実対称行列,つまり行列 は, によって内積を定義する:
慣性モーメントテンソルは回転運動の質量に等しい.例えば,運動エネルギーは である( は式の質量 に,角速度 は線形速度 に代る). は正定値対称行列で表すことができる.端点が原点と正の座標軸にある四面体の慣性モーメントを計算する:
は正定値なので,運動エネルギーは が非零である限り正である:
二次導関数テストは関数の臨界点を,ヘッセ(Hesse)行列が正定値なら極小値として,ヘッセ行列が負定値なら極大値として,ヘッセ行列が不定なら鞍点として分類する.このテストはヘッセ行列がこれら3つのいずれでもない場合は失敗する.2変数の関数の臨界点を求める:
この関数を可視化する.赤と青の点は最小値で緑の点は鞍点である:
この関数については,臨界点のうち任意の3つは線形依存の関係にあるので,どれも単一の平面上にある:
最小値を緑,極端ではない臨界点を赤にして,この関数を可視化する:
CholeskyDecompositionは正定値エルミート行列にしか使えない:
特性と関係 (15)
PositiveDefiniteMatrixQ[x]は行列ではない任意のx に対しては自明にFalseを返す:
すべての非零のベクトル についてなら行列 は正定値行列である:
実行列 は,その対称部分が正定値のときかつそのときに限り正定値行列である:
一般に,行列 はそのエルミート部分が正定値のときかつそのときに限り正定値行列である:
実対称行列は,その固有値がすべて正のときかつそのときに限り正定値行列である:
一般的な行列は正定値行列ではなくてもすべて正の固有値を持つことがある:
同様に,行列は正の固有値を持たなくても正定値行列であることがある:
対角行列は対角要素が正の実部を持つときかつそのときに限り正定値行列である:
スペクトル定理によって はJordanDecompositionを使ってユニタリ対角化可能である:
行列 は が負定値のときかつそのときに限り正定値行列である:
が実正定値行列なら,任意の実数ベクトル について となるような が存在する:
実対称正定値行列 は一意的に定義された となるような平方根 を持つ:
エルミート正定値行列 は一意的に定義された となるような平方根 を持つ:
考えられる問題 (2)
mの最小の固有値は機械精度で確実に正となるのには小さすぎる:
精度を十分に高くして正の固有値を評価すると,正しい答が与えられる:
PositiveDefiniteMatrixQは記号行列が正定値行列であると証明できなければFalseを与える:
EigenvaluesとReduceを組み合せるとより正確な結果が得られる:
テキスト
Wolfram Research (2007), PositiveDefiniteMatrixQ, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/PositiveDefiniteMatrixQ.html.
CMS
Wolfram Language. 2007. "PositiveDefiniteMatrixQ." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/PositiveDefiniteMatrixQ.html.
APA
Wolfram Language. (2007). PositiveDefiniteMatrixQ. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/PositiveDefiniteMatrixQ.html