SolarEclipse
次の日食の日付を返す.
SolarEclipse[date]
指定された date の次の日食の日付を返す.
SolarEclipse[prop]
次の日食についての特性 prop の値を返す.
SolarEclipse[date,prop]
date 後の次の日食について特性 prop の値を返す.
詳細とオプション
- 日食は,月によって投影された影が地球の表面を通過する際に起る.
- 毎年2回から5回の日食がある.日食は常に新月の近くで起る.
- 月の影には,本影,半影,擬本影の3つの部分がある.
- SolarEclipse[date,…]の date は任意のDateObject式または日付文字列でよい.
- SolarEclipse[{date1,date2,…},prop]は,各 dateiにおける最大の食の瞬間の指定された特性の値のEventSeriesオブジェクトを返す.
- SolarEclipse[{start,end,All}]は start から end までの食のリストを返す.
- SolarEclipse[{"Saros",s}]は食のリストをサロス(Saros)番号 s とともに返す.
- SolarEclipse[date,prop]の prop は,名前付きの特性"prop"または{"prop",param1,param2,…}の形式のパラメータ化された特性でよい.よく使われるパラメータは,日付または観測者の場所である.
- 次は,日食の一般的な特性である.
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"Type" 日食のタイプ(部分,皆既,金環,ハイブリッド) "MeeusType" メーウス(Meeus)分類の7つの型のいずれか "Gamma" 地球と月の中心の最小距離(単位:地球の赤道半径) "Magnitude" 最大の食の瞬間に観測された大きさ "NewMoon" 日食の新月の日付 "LunationNumber" 食の新月の新月数 "LunarNode" 食の月の交点(昇または降) "Central" 影軸が地球と接触するかどうか "Umbral" 本影錐が地球と接触するかどうか "ContactCount" 影軸および錐体と地球の接触点の数(2〜10) - 次は,食の地理的構造を説明する特性である.
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"EclipseMap" 主要な地理要素のGeoGraphics地図 {"EclipseMap",opts} オプション opts をGeoGraphicsに加える "GraphicsData" 食のすべての位相のグラフィックス指示子 - 観測された日食の周期性のうちの2つに,サロス(Saros)周期とイネックス(Inex)周期がある.次は,その関連特性である.
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"SarosSeries" 食の整数サロス番号 "InexSeries" 食の整数イネックス番号 "IndexInSaros" サロス系列における食の位置 "SarosInex" 整数ペア{saros,inex} - 最大の食は影軸と地心が再接近したときに起る.次は,最大の食の特性である.
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"MaximumEclipseDate" 最大の食が起る瞬間 "MaximumEclipsePosition" 最大の食の瞬間の影軸の地理位置 "MaximumEclipseMagnitude" 大きさ(覆われる太陽の直径の割合) "MaximumEclipseObscuration" 食尽(覆われる太陽の面積の割合) "MaximumEclipseUmbraDuration" 最大の食の位置における中心性位相の持続時間 "MaximumEclipsePenumbraDuration" 最大の食の位置における部分位相の持続時間 - 影の錐またはその頂点が最初または最後に地球と接触する点は接触点として知られている.
- 半影錐の接触点は Piで表される.食には2つまたは4つのそれがある.次は,関連する特性である.
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"ContactPointP1Date" 日の出における,最初の外部半影の接触の瞬間 "ContactPointP2Date" 日の出における,最初の内部半影の接触の瞬間 "ContactPointP3Date" 日の入りにおける,最後の内部半影の接触の瞬間 "ContactPointP4Date" 日の入りにおける,最後の外部半影の接触の瞬間 "ContactPointP1Position" 接触の地理位置P1 "ContactPointP2Position" 接触の地理位置P2 "ContactPointP3Position" 接触の地理位置P3 "ContactPointP4Position" 接触の地理位置P4 - 本影錐の接触点は Uiで表される.食には0,2つまたは4つのそれがある.次は,関連する特性である.
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"ContactPointU1Date" 日の出における,最初の外部本影の接触の瞬間 "ContactPointU2Date" 日の出における,最初の内部本影の接触の瞬間 "ContactPointU3Date" 日の入りにおける,最後の内部本影の接触の瞬間 "ContactPointU4Date" 日の入りにおける,最後の外部本影の接触の瞬間 "ContactPointU1Position" 接触の地理位置U1 "ContactPointU2Position" 接触の地理位置U2 "ContactPointU3Position" 接触の地理位置U3 "ContactPointU4Position" 接触の地理位置U4 - 影軸の接触点は Ciで表される.食には0または2つのそれがある.次は,関連する特性である.
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"ContactPointC1Date" 影軸と地球の最初の接触の瞬間 "ContactPointC2Date" 影軸と地球の最後の接触の瞬間 "ContactPointC1Position" 接触の地理位置C1 "ContactPointC2Position" 接触の地理位置C2 - 特性"TotalPhaseStartDate"と"TotalPhaseEndDate"は"ContactPointC1Date"および"ContactPointC2Date"に等しい.
- 次は,影軸に関連した特性である.
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{"ShadowAxisPosition",date} 指定された date における影軸の地理位置 {"ShadowAxisVelocity",date} 指定された date における影軸の地理ベクトルの速度 {"ShadowAxisSpeed",date} 影軸の速度(速度ベクトルのノルム) {"ShadowAxisDirection",date} 影軸の速度ベクトルの方位角 {"ShadowAxisDeclination",date} TETE赤道儀フレームにおける影軸の赤緯 {"ShadowAxisHourAngle",date} 影軸のグリニッジ時角 "ShadowAxisLine" 食全体についての影軸の地理経路 - 特性"TotalPhaseCenterLine"は"ShadowAxisLine"に等しい.
- 次は,本影錐に関連した特性である.
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{"UmbraPolygon",date} 指定の date における本影の多角形 {"UmbraBoundaryLine",date} 指定の date における本影の境界の地理経路 "UmbraEnvelopePolygon" 食の間の本影のすべての位置を含む多角形 "UmbraRiseSetLine" 本影の立ち上がりと下りの曲線 {"UmbraPathWidth",date} 指定の date における本影包の幅 - 特性"TotalPhasePolygon"は"UmbraEnvelopePolygon"に等しい.
- 次は,半影錐に関連した特性である.
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{"PenumbraPolygon",date} 指定の date における半影の多角形 {"PenumbraBoundaryLine",date} 指定の date における半影の境界の地理経路 "PenumbraEnvelopePolygon" 食における半影のすべての位置を含む多角形 "PenumbraRiseSetLine" 半影の立ち上がりと下りの曲線 "PenumbraRiseSetNode" 自己交差する立ち上がりと下の曲線のノード "MaximumEclipseInHorizonLine" 地平線上の最大の食の曲線 - 特性"PartialPhasePolygon"は"PenumbraEnvelopePolygon"に等しい.
- 位置 loc についてのローカルな最大の食は,この位置が影軸に最も近くなったときに起る.ローカルな最大の食の特性には以下がある.
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{"LocalMaximumEclipseDate",loc} loc から最大の食が観測された日付 {"LocalMaximumEclipseMagnitude",loc} ローカルな最大の食において loc から観測された大きさ {"LocalMaximumEclipseObscuration",loc} ローカルな最大の食において loc から観測された食尽 - 次は,ローカルの接触特性である.
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{"LocalPenumbraContact1Date",loc} 位置 loc との最初の半影接触の瞬間 {"LocalPenumbraContact2Date",loc} 位置 loc との最後の半影接触の瞬間 {"LocalPenumbraDuration",loc} 最初の半影接触から最後の半影接触までの時間 {"LocalUmbraContact1Date",loc} 位置 locとの最初の本影接触の瞬間 {"LocalUmbraContact2Date",loc} 位置 locとの最後の本影接触の瞬間 {"LocalUmbraDuration",loc} 最初の本影接触から最後の本影接触までの時間 - 次は,時間と位置に依存する特性である.
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{"LocalMagnitude",date,loc} date に loc から観測された大きさ {"LocalObscuration",date,loc} date に loc から観測された食尽 {"SunApparentRadius",date,loc} 太陽の見かけの角半径 {"MoonApparentRadius",date,loc} 月の見かけの角半径 {"SunMoonSeparation",date,loc} 太陽と月の角度分離 - 次は,ベッセル(Bessel)要素に関連する特性である.
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{"BesselianElementsCoefficients",date0} 時間の原点 date0についての主な8つのベッセル要素の多項式係数 "BesselianElementsCoefficients" 自動選択された時間原点の多項式係数 {"BesselianElementsFunctions",date0} date0からの時間(単位:時)のベッセル要素関数 "BesselianElementsFunctions" 自動時間原点のためにベッセル要素関数 {"BesselianElements",date} date における主な8つのベッセル要素の値 {"BesselianRotationMatrix",date} 測地フレームとベッセルフレームの間の回転行列 {"SunXYZ",date} 太陽の中心のベッセル座標 {"MoonXYZ",date} 月の中心のベッセル座標 {"PenumbraVertexXYZ",date} 半影頂点のベッセル座標 {"UmbraVertexXYZ",date} 本影頂点のベッセル座標 {"AngularVelocityXYZ",date} 地球の角速度ベクトルのベッセル座標 {"ObserverXYZ",date,loc} 位置 loc にいる観測者のベッセル座標 - SolarEclipse[]はSolarEclipse["MaximumEclipseDate"]に等しい.
- SolarEclipseで使用できるオプション
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TimeDirection 1 次の日食を返すか,これまでで直近の日食を返すか EclipseType Automatic 日食の種類を指定するために使用される TimeSystem Automatic 出力の日付に使われる時間系 TimeZone $TimeZone 出力の日付に使われる時刻帯 - TimeDirectionに可能な設定
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1 指定された日付の次の日食を返す -1 指定された日付の直前の日食を返す - EclipseTypeに可能な設定
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Automatic 任意の種類の次の日食を返す "Annular" 次の金環食を返す "Hybrid" 次の金環皆既日食を返す "Partial" 次の部分日食を返す "Total" 次の皆既日食を返す - SolarEclipseは,地球,太陽,月の位置を計算するために,ほぼ–13200年から17200年までの3万年以上をカバーするNASAのDE440天体暦を使う.この間におよそ72200回の日食が存在する.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (4)
スコープ (23)
食の識別子としての日付 (3)
食は出力で最大の食の瞬間のDateObject式として識別される:
入力の日付はDateObject式または日付文字列として与えることができる:
食の大域的特性 (2)
食のタイプ (4)
最大の食 (1)
影軸と本影の進化 (3)
立ち上がりと下りの曲線 (2)
ローカルな事情 (2)
食の周期 (3)
オプション (6)
EclipseType (1)
TimeDirection (2)
TimeSystem (2)
デフォルトで,SolarEclipseは,過去と未来でUT1に従うように拡張されたUTCの実装であるデフォルトのWolfram言語の時間系で日付を返す:
はるか昔の食を求める.DateObjectは,デフォルトで,0年がない先発グレゴリオ暦を使う点に注意のこと:
TimeZone (1)
デフォルトで,SolarEclipseは日付をユーザのローカルな時刻帯で返す:
特性と関係 (5)
日食は常に新月に非常に近い.過去千年からランダムな日付を取ってみる:
SolarEclipseは日食を見付けて説明する.日食の際は月が地球と太陽の間と通過する:
LunarEclipseは月食を見付けて説明する.月食では,地球が太陽と月の間を通過する:
テキスト
Wolfram Research (2014), SolarEclipse, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SolarEclipse.html (2024年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2014. "SolarEclipse." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/SolarEclipse.html.
APA
Wolfram Language. (2014). SolarEclipse. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SolarEclipse.html