ArcTan

ArcTan[z]

複素数 の逆正接を与える.

ArcTan[x,y]

どの象限に点があるかを考慮し, の逆正接を与える.

詳細

  • 記号操作・数値操作の両方に適した数学関数である.
  • 答はラジアンで求まる.
  • が実数のとき,答は必ずの範囲にある.
  • 特別な引数の場合,ArcTanは自動的に厳密値を計算する.
  • ArcTanは任意の数値精度で評価できる.
  • ArcTanは自動的にリストに関数の並列的な適用を行う.
  • ArcTan[z]は,複素 平面上, そしての範囲で不連続な分枝切断線を持つ.
  • または が複素数のとき,ArcTan[x,y]は,を意味する.のときにArcTan[x,y]は,および を満たす数 を見出す.
  • ArcTanIntervalオブジェクトおよびCenteredIntervalオブジェクトに使うことができる. »

予備知識

  • ArcTanは,逆正接関数である.実数 x については,ArcTan[x]は, となるラジアン角度測定値を表す.2つの引数を取る形式であるArcTan[x,y]は,点がある象限を考慮に入れて,y/x の逆正接を表す.このため,正の 軸から測定された点の角度位置(ラジアンで表される)を返す.ArcTanは,直交座標系から極座標系に変換する場合に,またフェーザ表記 x+ⅈ y=TemplateBox[{z}, Abs]ⅇ^(ⅈ phi)の位相 を求める場合に,便利である.
  • ArcTanは,自動的にリストに縫い込まれる.特別な厳密値の引数の場合,ArcTanは自動的に厳密値を計算する.引数として厳密な数式が与えられている場合には,ArcTanは任意の数値精度に評価してもよい.ArcTanを含む記号式の操作に有効な関数には,FunctionExpandTrigToExpTrigExpandSimplifyFullSimplifyがある.
  • ArcTanは,複素引数 については,を通して定義される.
  • ArcTan[z]は,複素 平面上に不連続な分枝切断線を持つ.関連する数学関数には,ArgTanArcCotArcTanhGudermannianがある.

例題

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  (7)

結果はラジアンである:

Degreeで割って結果を度で得る:

ArcTan[x,y]は点{x,y}の角度を与える:

実数の部分集合上でプロットする:

複素数の部分集合上でプロットする:

0における級数展開:

Infinityにおける漸近展開:

特異点の一つにおける漸近展開:

スコープ  (49)

数値評価  (6)

数値的に評価する:

高精度で評価する:

2引数の形式を使って評価する:

出力精度は入力精度に従う:

複素引数について評価する:

2引数形式は複素数をサポートする:

ArcTanを高精度で効率よく評価する:

IntervalオブジェクトとCenteredIntervalオブジェクトを使って最悪の場合に保証される区間を計算する:

Aroundを使って平均的な場合の統計区間を計算することもできる:

配列の要素ごとの値を計算する:

MatrixFunctionを使って行列のArcTan関数を計算することもできる:

特定の値  (6)

固定点におけるArcTanの値:

からまでの整数座標を持つすべての点の角度:

無限大における値:

ArcTan[x,y]形式の無限大における値:

ArcTanの零点:

方程式 を満足する の値を求める:

値を代入する:

結果を可視化する:

可視化  (4)

ArcTan関数をプロットする:

2引数のArcTan関数を平面上にプロットする:

の実部をプロットする:

の虚部をプロットする:

の極プロット:

関数の特性  (12)

ArcTanはすべての実数値について定義される:

複素領域:

ArcTanは,区間からのすべての実数値に達する:

複素領域からの引数についての関数の範囲:

ArcTanは奇関数である:

ArcTanは鏡特性tan^(-1)(TemplateBox[{x}, Conjugate])=TemplateBox[{{{tan, ^, {(, {-, 1}, )}}, (, x, )}}, Conjugate]を有する:

は実数上で の解析関数である:

複素平面上では解析的でも有理型でもない:

は実数上では解析的ではない:

は増加関数である:

ArcTanは単射である:

ArcTanは全射ではない:

ArcTanは非負でも非正でもない:

は特異点も不連続点も持たない:

のとき特異である:

ArcTanは凸でも凹でもない:

TraditionalFormによる表示:

微分  (3)

一次導関数:

高次導関数:

次導関数の式:

積分  (3)

ArcTanの不定積分:

原点を中心とする区間上でのArcTanの定積分は0である:

その他の積分例:

級数展開  (4)

ArcTanのテイラー(Taylor)展開:

の周りのArcTanの最初の3つの近似をプロットする:

ArcTanの級数展開における一般項:

分岐点と分枝切断線における級数展開を求める:

ArcTanはベキ級数に適用できる:

積分変換  (3)

LaplaceTransformを使ってラプラス(Laplace)変換を計算する:

InverseFourierTransform

MellinTransform

関数の恒等式と簡約  (3)

ArcTanを含む式を簡約する:

TrigToExpを使ってArcTanLogによって表現する:

実変数 および を仮定して展開する:

関数表現  (5)

ArcCotを使って表現する:

逆ヤコビ関数を介した表現:

Hypergeometric2F1を使った表現:

ArcTanMeijerGによって表すことができる:

ArcTanDifferentialRootとして表すことができる:

アプリケーション  (9)

辺が3と4で斜辺が5の直角三角形の角度を求める:

合計で90°になる:

有理関数の積分をArcTanについて求める:

正接関数についての加法定理:

2つの点を通る直線の傾斜角を求める:

微分方程式を解く:

ArcTanの分枝切断線は虚軸に沿っている:

複素数の極分解:

サイン-ゴルドン(Gordon)方程式の特異解:

解をチェックする:

双曲線正割の標準分布の累積分布関数(CDF)はArcTanによって与えられる:

これはGudermannian関数をスケールしてシフトしたものである:

特性と関係  (5)

TrigToExpを使ってArcTanLogで表す:

FullSimplifyを使ってArcTanを含む式を簡約する:

ArcTanは角度をラジアンで与えるのに対し,ArcTanDegreesは同じ角度を度で与える:

ArcTanはいくつかの特殊関数の特別な場合である:

Reduceを使ってArcTanを含む不等式を解く:

考えられる問題  (1)

ArcTanは多価関数であるので, である:

次はもとの引数と 倍分異なる:

おもしろい例題  (1)

分岐点 付近での展開:

Wolfram Research (1988), ArcTan, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ArcTan.html (2021年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1988), ArcTan, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ArcTan.html (2021年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1988. "ArcTan." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/ArcTan.html.

APA

Wolfram Language. (1988). ArcTan. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ArcTan.html

BibTeX

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