CurrentValue
CurrentValue[item]
Wolframシステムとインターフェース内の位置における item の状態に関連した現行値を与える.
CurrentValue[{item,spec}]
spec で指定された item の特性の現行値を与える.
CurrentValue[obj,item]
オブジェクト obj に関連した item の現行値を与える.
詳細
- CurrentValueはデフォルトで,ノートブック構造で現れる位置を参照する.
- CurrentValueはDynamic中で使われることがある.このとき,CurrentValueはデフォルトにより表示されている動的オブジェクトを参照する.
- 適切なアイテムの値はCurrentValue[item]=val を使って,あるいはDynamicを通して暗示的に再設定することができる.
- ノートブックフロントエンドの任意のオプションの特定の位置における現行値は,CurrentValue[opt]を使ってアクセスすることができる.
- 設定値が{"name1"->val1,…}という形式のリストになっているオプションの場合,CurrentValue[{opt,namei}]は vali の現行値を取り出す.
- CurrentValue[{StyleDefinitions,"style"}]は,現在位置で style という名前のスタイルに使われる明示的なスタイル定義を与える.
- CurrentValue[{StyleDefinitions,"style",option}]は,style についての option の値を与える.
- CurrentValue[obj,"CellStyleName"]は,obj に割り当てられた主セルスタイル名を文字列として返す.CurrentValue[obj,"CellStyle"]は obj に割り当てられたすべてのセルスタイルのリストを与える.
- CurrentValueで使える特殊アイテムには次のようなものがある.
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"MouseOver" マウスがその位置の上にあればTrue "SelectionData" 現行ノートブック中で選択されているコンテンツ "SelectionOver" 現行位置が選択に含まれていればTrue "SelectionWithin" 選択が完全に現在の場所にあるならTrue - 以下はマウスを参照する.
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"MouseButtons" その時点で押されているマウスボタンのリスト "MouseButtonTest" 主マウスボタンがその時点で押されていればTrue {"MouseButtonTest",i} マウスボタン i がその時点で押されていればTrue "MouseClickCount" イベントを引き起すためのマウスのクリック数 "MouseOver" マウスが現行位置の上にあればTrue "MousePosition" マウスの現行位置 {"MousePosition",coords} 指定の座標系におけるマウス位置 - 主マウスボタンは1で表される.従(右)ボタンは2で表される.スクロールホイールボタンは一般に3で表される.これら以外のボタンはより大きい数を使って表される.
- 以下はモディファイアキーを参照する.
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"ModifierKeys" その時点で押されているすべてのモディファイアキーのリスト "AltKey" キーまたはキーがその時点で押されていればTrue "CommandKey" キーまたはキーがその時点で押されていればTrue "ControlKey" キーがその時点で押されていればTrue "OptionKey" Macintoshでキーがその時点で押されていればTrue "ShiftKey" キーがその時点で押されていればTrue - 次は,ゲームパッドのようなコントローラデバイスについてである.
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"ControllerData" すべてのコントローラの状態についての低レベルデータ {"ControllerData",ids} 指定識別子の付いたコントローラのデータ - 以下はその時点で処理されているイベントあるいは動作を参照する.
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"EventKey" 押されているキー "EventAbsoluteTime" イベントが起ったときの絶対時間 "EventData" イベントに関するデータ - 以下は,現在実行中の評価を参照する.
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"DynamicEvaluation" 評価がDynamicと関連している場合はTrue "SynchronousEvaluation" 評価が同期的に行われている場合はTrue - 次の特別アイテムは完全な現行ノートブックを参照する.
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"NotebookDirectory" ディレクトリ名 "NotebookFileName" ファイル名,パスは含まない "NotebookFullFileName" 完全ファイル名,パスを含む "NotebookSelected" ノートブックが選択されていればTrue - 以下は使用されているフォントを参照する.値はすべてプリンタポイントで与えられる.
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"FontAscenderHeight" 小文字のアセンダーの高さ "FontAxisOffset" ベースラインより上のフォント軸のオブセット "FontCapHeight" 大文字の高さ "FontDescenderDepth" 小文字のディセンダーの長さ "FontLineHeight" テキストラインの高さの合計 "FontMWidth" 「m」の幅 "FontNWidth" 「n」の幅 "FontThickness" デフォルトの線の太さ "FontXHeight" 「x」の高さ - 以下はシステム設定を参照する.
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"SystemColors" システムの現行テーマによって指定された色 "SystemFonts" システムの現行テーマによって指定されたフォント - CurrentValueは次のようなオブジェクトを使うことができる.
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$FrontEnd フロントエンドセッション全体 $FrontEndSession フロントエンドの現行セッション NotebookObject[…] 指定されたノートブック:InputNotebookあるいはEvaluationNotebook等のコマンドで生成されたものでもよい NotebookSelection[nb] ノートブック中の現行選択部分 CellObject[…] 指定されたセル:CellsあるいはEvaluationCell等のコマンドで生成されたものでもよい - EventHandlerやButtonのような関数で使われた場合,CurrentValueはトリガイベントが起ったときの現行値を返す.
- CurrentValue["MousePosition"]のようなケースは,MousePosition[]のような明示的関数と等価である.
例題
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アプリケーション (1)
TaggingRulesオプションを使ってノートブックとともに保存される任意のメタデータを格納する:
指定されたセレクタのTaggingRulesの完全リストを見る:
TaggingRulesを使ってセルをスパンできるDynamicModule構造を列挙する:
特性と関係 (1)
マウスオーバーはCurrentValueアイテムの"MouseOver"で作られる:
考えられる問題 (1)
Dynamicは,マウスボタンが押されている間は更新されないことがあるので,以下では何も表示されないかもしれない:
テキスト
Wolfram Research (2007), CurrentValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/CurrentValue.html (2024年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2007. "CurrentValue." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/CurrentValue.html.
APA
Wolfram Language. (2007). CurrentValue. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/CurrentValue.html