FailureDistribution

FailureDistribution[bexpr,{{x1,dist1},{x2,dist2},}]

ブール式 bexprTrueであるときに頂上事象が起り xiTrueのときに事象 xiが起ったような,信頼性分布が distiの事象 xiの系の故障分布を表す.

詳細

  • FailureDistribution[bexpr,]は故障の木の指定に対応する.
  • ブール式 bexpr は系の構造関数としても知られている.
  • よく使用される構造関数
  • x_(1)∨...∨x_(n)Orゲート
    x_(1)∧...∧x_(n)Andゲート
    TemplateBox[{BooleanCountingFunction, paclet:ref/BooleanCountingFunction}, RefLink, BaseStyle -> {2ColumnTableMod}][{k,n},n]k アウトオブ n の系
    BooleanConsecutiveFunction[k,n]連続する k アウトオブ n の系
  • 構造関数 bexpr はどの正ユネイトブール関数でもよい.
  • UnateQ[bexpr]を使ってブール式が正ユネイトかどうか検定することができる.
  • 事象の信頼性分布 distiPDF[disti,t]t0のときにゼロの一変量分布でなければならない.
  • 事象識別子 xiFailureDistribution[bexpr,]
  • xiTrue事象 xiが起ったことを示す
    xiFalse事象 xiがまだ起っていないことを示す
  • 時間 t におけるFailureDistribution[bexpr,{{x1,dist1},}]の累積分布関数はProbability[bexpr/.{x1->t1t,},{t1dist1,}]で与えられる.
  • FailureDistributionは,MeanSurvivalFunctionHazardFunctionRandomVariate等の関数とともに使うことができる.

例題

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  (3)

2つの事象のどちらかが起った場合に頂上事象が起る系を定義する:

生存関数を計算する:

下層の事象が両方とも起った場合に頂上事象が起る系を定義する:

生存関数を計算する:

AndゲートとOrゲートが両方ある構造:

分布関数:

故障までの平均時間と中央の時間:

時間の前に系が故障する確率:

スコープ  (22)

基本的な用法  (5)

2つの事象のどちらかが起った場合に故障する系の故障までの平均時間を求める:

2つの事象が両方とも起った場合に故障する系の生存関数を求める:

3つの事象のうち2つの事象が起った場合に故障する系のSurvivalFunctionを求める:

事象の分布が異なる系のための乱数を生成する:

そのヒストグラムと確率密度関数を比較する:

スタンバイ機能を持つ構成要素がある系のモデルを作る:

故障までの平均時間を計算する:

構造関数  (4)

4つの事象がある系:

3つの事象とボーティングゲートがある系:

4つの事象のうち,少なくとも3つが起ると故障する系:

任意の正ユネイトブール式を構造関数として使うことができる:

UnateQを使ってブール式が正ユネイトであるかどうか検定する:

パラメトリック寿命分布  (4)

LogNormalDistributionを含む任意のパラメトリック寿命分布を使う:

故障までの平均時間を数値計算する:

故障までの平均時間を分布母数の関数として計算する:

1つの事象がかなり遅れて起る場合,この事象が系の寿命を決定する:

故障までの平均時間が等しい2つの分布を定義する:

OrゲイトとAndゲイトがある系をこれらの分布とともに定義する:

故障までの平均時間が とともにどのように変わるかを示す:

離散寿命分布を使うことができる:

故障までの平均時間を計算する:

SurvivalFunctionをプロットする:

ノンパラメトリック寿命分布  (3)

SmoothKernelDistributionを使って航空機のガラス強度をモデル化する:

航空機のガラスが割れるか他の事象が起るかすると故障する系について考える:

HistogramDistributionを使って事象をモデル化する:

2つないし3つの事象があるOrゲートについての生存関数をプロットする:

EmpiricalDistributionを使って直接データから事象をモデル化する:

2つの事象のどちらかが系の故障の原因となる場合の生存関数をプロットする:

派生寿命分布  (6)

StandbyDistributionで事象をモデル化する:

故障までの平均時間を計算する:

SurvivalFunctionをプロットする:

複雑な系はステップに分けてモデル化することができる:

故障までの平均時間を求める:

これは系全体を一度にモデル化することと等価である:

StandbyDistributionで事象をモデル化する:

起るべき2つの事象のうち最初のものが頂上事象の原因となる:

生存関数をプロットしてこれをスタンバイ事象のみと比較する:

1つの事象がParameterMixtureDistributionである系:

MixtureDistributionで2要素のコールドスタンバイ系をモデル化する:

これをFailureDistributionで使って生存関数を計算する:

StandbyDistributionとの等価性を示す:

OrderDistributionを使って事象の寿命をモデル化することができる:

SurvivalFunctionをプロットする:

アプリケーション  (6)

朝起きられないリスクをモデル化する.古くなった目覚まし時計をバックアップとして持っていると仮定する:

普段使っている目覚まし時計は電気時計である:

1年間の故障率の分布を定義する:

1年目のある時点で(目覚ましが鳴らないために)起きられない確率を求める:

故障までの平均時間(単位:年):

炭鉱での問題の一つに,石炭の山の間の空洞に渡した橋からブルドーザーが落ちることがある.ブルドーザーは空洞の存在を知った上でその上に来ることもあれば,知らずに来ることもある:

空洞は石炭の地中流出によって形成される.これは,コンベヤーベルトの下から石炭を搬出し開放供給機を撤去することで生じる:

地表に流れがないことも原因となる.石炭が凍結すると地表の流れが止まる:

石炭をぎっしり詰めても地表の流れが無くなる:

完全な故障の木:

事象について次の分布を仮定する:

1年間に1つの石炭堆積山で頂上事象が発生する確率:

合衆国の337の石炭堆積山についての確率:

1つの堆積山で事象が発生するまでの平均時間はおよそ60年である:

水中のパイプラインの修理は水面下のドライメンテナンスキャビンを使って行われる.生命維持装置の部品の故障までの平均時間(単位:時間)とその寿命分布 は以下で与えられる:

まず,空気供給装置のモデルを作る:

次は排気装置のモデル:

最後に,空気探知装置のモデル:

生命維持装置は下位装置のいずれかが故障すると故障する:

典型的な作業時間は24時間である.作業の生存確率を計算する:

故障までの平均時間は作業時間よりはるかに長い:

地球を巡る軌道上の宇宙船に推進力を与える推進装置について考える.デバイスのスイッチを切ってから推進力を与える事象をモデル化する:

緊急スイッチのモデルを作る:

時限継電器が開かないという故障:

安全弁1が閉じないという故障のための構造:

安全弁2が閉じないという故障のための構造:

両方の安全弁が閉じなければ望まない推進力が生じる:

望まない推進力が生じるまでの平均時間を計算する:

望まない推進力が6ヶ月間のミッション中に生じる確率を求める:

ある装置の構造と寿命分布は次のようになっている:

5日間のミッション中に故障しないように確率で故障率 となる必要条件を求める:

FailureDistributionは一般化されたOrderDistributionとして使うことができる:

同一分布が使われた場合,これはOrderDistributionに等しい:

特性と関係  (12)

FailureDistributionは入力中の変数に局所名を使う:

したがって,続く計算はもとの変数名を使って行うことができる:

までに2つの故障事象のどちらも起らない確率:

これはOrゲートに対応する:

までにどちらの故障事象も起らなかった確率:

これはAndゲートに対応する:

までに2つの故障事象が起らない確率:

これは2アウトオブ3のボーティングゲートに対応する:

同一事象を繋ぐOrゲートはOrderDistributionに対応する:

同一事象を繋ぐAndゲートはOrderDistributionに対応する:

同一事象を伴うボーティングゲートはOrderDistributionに対応する:

Orゲートで繋がれた基本事象の寿命は部品の寿命の最低のものである:

Andゲートで繋がれた2つの事象の寿命はその事象の寿命の最大のものである:

アウトオブ のボーティングゲートはRankedMin関数を伴うTransformedDistributionに対応する:

生存関数を比較する:

Orゲートで繋がれた指数分布に従う事象は指数的な頂上事象を与える:

Orゲートで繋がれたワイブル(Weibull)分布に従う事象はワイブル分布に従う頂上事象を与える:

FailureDistribution あるいは が故障すると頂上事象が起ることをモデル化する:

ReliabilityDistributionは系が動くためには両方の部品が動かなくてはならないことをモデル化する:

部品 が動くことは のどちらかが故障することに等しい:

4つの部品のうち2つが故障すると系が故障する場合をモデル化する:

これは,系が動くためには4つの部品のうち3つが必要な場合に等しい:

考えられる問題  (3)

部品の分布は正の領域でなければならない:

TruncatedDistributionを使って正の値のみに領域を限定する:

厳密値あるいは記号的特性は常に計算できる訳ではない:

そのような場合でも近似値は求めることができる:

FailureDistributionは正ユネイト構造式についてのみ明確に定義することができる:

UnateQを使ってブール式が正ユネイトかどうか検定する:

おもしろい例題  (1)

1つの点から別の点に移るために,馬に乗る,車を運転する,戦車に乗る,船に乗るの選択肢がある.船に乗る際は鮫がいないことも必要である.故障までの平均時間を求める:

Wolfram Research (2012), FailureDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FailureDistribution.html.

テキスト

Wolfram Research (2012), FailureDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FailureDistribution.html.

CMS

Wolfram Language. 2012. "FailureDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/FailureDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2012). FailureDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FailureDistribution.html

BibTeX

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BibLaTeX

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