FourierMatrix

FourierMatrix[n]

n×n フーリエ(Fourier)行列を返す.

詳細とオプション

  • 次数 nFourierMatrixは長さ n の離散フーリエ変換の基底数列のリストを返す.
  • フーリエ行列の各項は,デフォルトで,と定義される.ただし,である.
  • FourierMatrixの行は離散フーリエ変換の基底数列である.
  • FourierMatrix[n]の結果 F は複素対称でユニタリである.つまり,F-1Conjugate[F]である.
  • 次は使用可能なオプションである.
  • FourierParameters {0,1}フーリエ変換を定義するパラメータ
    TargetStructure Automatic返される行列の構造
    WorkingPrecision Infinity成分を構築する精度
  • オプションFourierParametersを使うとフーリエ行列の異なる定義が指定できる.FourierParameters->{a,b}の定義では,フーリエ行列の項は と定義される.ただし,である.
  • よく使われる{a,b}の選択肢には,{0,1}(物理),{-1,1}(データ解析),{1,-1}(信号処理)がある.
  • 次は,TargetStructureの可能な設定である.
  • Automatic返す表現を自動選択する
    "Dense"行列を密な行列として表す
    "Structured"行列を構造化配列として表す
    "Symmetric"行列を対称行列として表す
    "Unitary"行列をユニタリ行列として表す
  • FourierMatrix[,TargetStructureAutomatic]のとき,行列の成分数が現行の閾値未満の場合は密な行列が返され,それ以外の場合は構造化配列が返される.
  • FourierMatrix[n].list の結果は,list の長さが n のときはFourier[list]の結果に等しい.しかし,FourierMatrixが構造化配列のまま保持されない限りFourier[list]の計算の方がはるかに高速で数値誤差も小さい. »
  • 構造化FourierMatrix sa については,以下の特性"prop"sa["prop"]でアクセスすることができる.
  • "FourierParameters"パラメータ{a,b}
    "WorkingPrecision"内部精度
    "Properties"サポートされる特性のリスト
    "Structure"構造化配列の型
    "StructuredData"構造化配列に格納された内部データ
    "StructuredAlgorithms"構造化配列に対して特別なメソッドを持つ関数のリスト
    "Summary"Datasetとして表される情報の要約

例題

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  (2)

フーリエ行列:

大きいフーリエ行列:

スコープ  (2)

長さ128のフーリエ基底数列の実数部分と虚数部分:

オプション設定TargetStructure"Structured"を使って構造化フーリエ行列を構築する:

構造化表現を使うと,大きい行列の場合はメモリが大幅に節約できる:

オプション  (3)

FourierParameters  (1)

フーリエ行列のデフォルトの定義:

信号処理に使われるフーリエ行列の定義を使う:

データ解析に使われるフーリエ行列の定義を使う:

TargetStructure  (1)

フーリエ行列を密な行列として返す:

フーリエ行列を構造化配列として返す:

フーリエ行列を対称行列として返す:

フーリエ行列をユニタリ行列として返す:

WorkingPrecision  (1)

機械精度を使う:

任意精度を使う:

アプリケーション  (3)

高速フーリエ変換(FFT)の効率は2つの小さいフーリエ行列から1つの大きいフーリエ行列を構築できることによる.大きさ pq との2つの小さいフーリエ行列を生成する:

大きさが p q のフーリエ行列はより簡単な4つの行列の積として表すことができる:

結果の行列がFourierMatrixの結果と等しいことを示す:

ベクトルの離散フーリエ変換はフーリエ行列の係数を連続的にベクトルに掛けることで計算できる:

結果はFourierをベクトルに適用したものに等しい:

ベクトルから巡回行列を構築する関数を定義する:

巡回行列はフーリエ行列によって対角化できる:

結果の対角行列の対角要素はフーリエ行列と開始ベクトルの積に一定のスケーリング係数まで等しい:

単位を正規化したフーリエ行列:

偶数次元の場合は,行列の永久式は0である:

奇数次元の場合は,行列の永久式は常に整数である:

p>3の奇整数の場合は,p×p 行列の永久式は p3を法として p!と一致する:

特性と関係  (2)

FourierMatrixはスケールされたVandermondeMatrixとして表すことができる:

ベクトルのフーリエ変換はベクトルにフーリエ行列を掛けたものと等価である:

逆フーリエ変換は共役転置倍するのに等しい:

Fourierは行列に基づいた計算よりもはるかに速い:

Wolfram Research (2012), FourierMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierMatrix.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), FourierMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierMatrix.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "FourierMatrix." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierMatrix.html.

APA

Wolfram Language. (2012). FourierMatrix. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierMatrix.html

BibTeX

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