UpperTriangularMatrix

UpperTriangularMatrix[umat]

上三角行列 umat を構造化配列に変換する.

詳細とオプション

  • 上三角行列は,構造化配列として表されたときは,DetInverseLinearSolve等における効率的な保存とより効率的な動作を可能にする.
  • 上三角行列は,後退代入で解くことができる簡単な系として表される線形方程式系を解く際に現れる.上三角行列および下三角行列を使う行列分解には,LUUU (コレスキー分解) およびQRの各分解がある.
  • 上三角行列 はr のとき を満足する.
  • 要素 uijは数値ではなくてもよい.
  • 上三角行列の逆行列もまた上三角行列である.
  • 上三角行列は行列の乗算のもとで閉じているので もまた上三角行列である.
  • 上三角行列の行列式は対角要素 の積で与えられる.
  • 以下の操作はUpperTriangularMatrixについて高速化される.
  • Det時間
    Dot時間
    LinearSolve時間
  • UpperTriangularMatrix sa については以下の特性"prop"sa["prop"]でアクセスできる.
  • "Matrix"完全な配列として表された上三角行列
    "Properties"サポートされる特性のリスト
    "Structure"構造化配列の型
    "StructuredData"構造化配列に保存された内部データ
    "StructuredAlgorithms"構造化配列についての特別なメソッドを持つ関数のリスト
    "Summary"Datasetとして表されたまとめの情報
  • Normal[UpperTriangularMatrix[]]は上三角行列を通常の行列として与える.
  • UpperTriangularMatrix[,TargetStructure->struct]は,上三角行列を struct で指定された形式で返す.以下は,その可能な設定である.
  • Automatic返す表現を自動選択する
    "Dense"行列を密な行列として返す
    "Sparse"行列を疎な配列として返す
    "Structured"行列を構造化配列として返す
  • UpperTriangularMatrix[,TargetStructureAutomatic]UpperTriangularMatrix[,TargetStructure"Structured"]に等しい.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (2)

上三角行列を構築する:

要素を示す:

NormalUpperTriangularMatrixをその通常表現に変換できる:

記号成分を持つ上三角行列を構築する:

要素を示す:

行列式を得る:

スコープ  (5)

UpperTriangularMatrixオブジェクトは行列についての情報である特性を含む:

"Summary"特性は行列についての情報の簡単なまとめを与える:

"StructuredAlgorithms"特性は構造化アルゴリズムを持つ関数のリストを与える:

構造化アルゴリズムの方が通常は速い:

行列式を計算する:

逆行列を計算する:

線形系を解く:

固有値を計算する:

構造化アルゴリズムは,適切な場合は別のUpperTriangularMatrixオブジェクトを返す:

utの逆行列は別の上三角行列である:

utの転置は下三角行列を与える:

utとその逆行列との積はもはや三角行列ではない:

整数成分を持つSparseArrayから上三角行列を構築する:

要素を表示する:

複素数値の上三角行列を構築する:

行列式を計算する:

逆行列を計算する:

線形系を解く:

固有値を計算する:

オプション  (1)

TargetStructure  (1)

上三角行列を密な行列として返す:

上三角行列を構造化配列として返す:

上三角行列を疎な配列として返す:

アプリケーション  (3)

ヒルベルト(Hilbert)行列のコレスキー(Cholesky)分解を厳密に計算するための関数:

生成された行列がCholeskyDecompositionをヒルベルト行列に適用した結果と等しいことを示す:

行列にその転置をかけるとヒルベルト行列になることを確かめる:

Heisenberg群の元は単位対角を持つ3×3上三角行列で表すことができる:

2つのHeisenberg行列の積もまたHeisenberg行列である:

Heisenberg行列の逆行列もまたHeisenberg行列である:

行列のLU分解を計算する関数:

分解を計算する:

分解を確認する:

特性と関係  (2)

UpperTriangularMatrixの転置はLowerTriangularMatrixを与える:

UpperTriangularMatrixの成分は最も低い精度にされる:

考えられる問題  (1)

完全な行列:

UpperTriangularMatrix[a]は,a が明らかに上三角行列でなければ評価されない:

UpperTriangularMatrix[UpperTriangularize[a]]を使って a の上三角部分を得る:

おもしろい例題  (2)

反アダマール(Hadamard)特性を持つ上三角行列る:

逆行列は予想外に大きい整数成分を持つ:

逆行列のフロべニウス(Frobenius)ノルムはもとの行列のフロベニウスノルムより大きい:

ウィルキンソン(Wilkinson)三角行列を構築する:

これは単位行列式を持つ:

しかし,行列は非常に状態が悪い:

Wolfram Research (2022), UpperTriangularMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularMatrix.html (2023年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2022), UpperTriangularMatrix, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularMatrix.html (2023年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2022. "UpperTriangularMatrix." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2023. https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularMatrix.html.

APA

Wolfram Language. (2022). UpperTriangularMatrix. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularMatrix.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_uppertriangularmatrix, author="Wolfram Research", title="{UpperTriangularMatrix}", year="2023", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularMatrix.html}", note=[Accessed: 21-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_uppertriangularmatrix, organization={Wolfram Research}, title={UpperTriangularMatrix}, year={2023}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/UpperTriangularMatrix.html}, note=[Accessed: 21-November-2024 ]}