Inverse[m]
正方行列 m の逆行列を返す.
Inverse
Inverse[m]
正方行列 m の逆行列を返す.
詳細とオプション
- Inverseは,記号および数値行列で機能する.
- 近似された実数,または複素数を含む行列については,与えられた入力に対して最も高い精度で逆行列が作成される.条件が合わない行列には警告が与えられる.
- 次は,使用可能なオプションである.
-
Method Automatic 使用するメソッド Modulus 0 使用する素数の法 ZeroTest Automatic 要素が0かどうかをテストする - Inverse[m,Modulus->p]は,素数 p を法として有理行列の逆行列を評価する.p が0のときは法は通常の演算が行われる.n が素数ではない場合は計算が失敗することがある. »
- Inverse[m,ZeroTest->test]は,行列の要素がゼロであるかどうかを判断するために test[m[[i,j]]]を評価する.
- 厳密行列および記号行列に適用可能なMethodの設定値には,"CofactorExpansion","DivisionFreeRowReduction","OneStepRowReduction"がある.デフォルトの設定値はAutomaticで指定された行列によってこれらのメソッドを切り替える.
- Inverse[m]は,StandardFormとTraditionalFormでは
とフォーマットされる. »
例題
すべて開く すべて閉じるスコープ (14)
基本的な用法 (9)
CenteredInterval行列の逆行列:
特殊行列 (5)
オプション (7)
Method (4)
ZeroTest (1)
アプリケーション (10)
方程式を解く (4)
方程式系
,
,
を解く.まず,係数行列
と定数ベクトル
を構築する:
LinearSolveを使って結果を確かめる:
数値系や特に疎な系については,LinearSolveの方が速いと考えられる:
常微分方程式系
,
,
を解く.まず,右辺について係数行列
を構築する:
DSolveValueを使って解を確かめる:
基底/座標の変更 (6)
中の一般ベクトルを
,
,
の線形結合として表す.まず,ベクトルが線形独立であることをベクトルのヌル空間が空であることで確認する:
基底
についての座標を基底
についての座標に変換する基底変換行列を求める:
標準形での表現が
,
,
を基底とする
で与えられる線形演算子
を表す:
Inverseを使って
のように行列を対角化することができる.
の固有値と固有ベクトルを計算する:
固有値と列が固有ベクトルである行列
から対角行列
を構築する:
行列の任意の関数は
として計算できる.MatrixPowerを例に取る:
同様に,MatrixExpは自明で,
の対角行列をベキ乗するだけでよい:
変換行列のInverseは逆操作のための行列を与える.例として
による平行移動について考える:
特性と関係 (13)
Inverseは
行列
について
の関係を満足する:
Inverseは関係
を満足する:
Inverseは関係
を満足する:
正方行列は,その行列式が非零のときかつそのときに限って逆行列を持つ:
MatrixPower[m,-1]はInverse[m]に等しい:
逆行列
について,Inverse[a]はAdjugate[a]/Det[a]に等しい:
Inverse[m]は,可逆の n×n 行列についてLinearSolve[m,IdentityMatrix[n]]に等しい:
直交行列の逆行列はTransposeで与えられる:
ユニタリ行列の逆行列はConjugateTransposeで与えられる:
QuantityArrayとその逆配列は逆数単位を持つ:
逆行列
について,Inverse[a]とPseudoInverse[a]は一致する:
PseudoInverseは特異行列および矩形行列にも拡張される:
可逆行列
について,Inverse[a]とDrazinInverse[a]は一致する:
DrazinInverseは特異正方行列に拡張される:
考えられる問題 (4)
関連項目
PseudoInverse LinearSolve RowReduce NullSpace LinearSolveFunction DrazinInverse Adjugate MatrixRank
Function Repository: LinearAlgebraMod TridiagonalInverse
テクニカルノート
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- 逆行列 ▪
- 実装に関するノート: 数値および関連関数
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履歴
1988 で導入 (1.0) | 1996 で更新 (3.0) ▪ 2022 (13.2) ▪ 2024 (14.0) ▪ 2025 (14.3)
テキスト
Wolfram Research (1988), Inverse, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Inverse.html (2025年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1988. "Inverse." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2025. https://reference.wolfram.com/language/ref/Inverse.html.
APA
Wolfram Language. (1988). Inverse. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Inverse.html
BibTeX
@misc{reference.wolfram_2025_inverse, author="Wolfram Research", title="{Inverse}", year="2025", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/Inverse.html}", note=[Accessed: 02-November-2025]}
BibLaTeX
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