NotebookObject
NotebookObject[id]
フロントエンドにおいて現在開いているノートブックを表すオブジェクトである.
詳細
- NotebookObject式は一般に,InputNotebook,EvaluationNotebook,Notebooks等のカーネルコマンドによって生成される.
- id は大域的に一意的なノートブックのUUIDを与える数列である.id は,通常,ノートブックのExpressionUUIDに対応する.
- NotebookObject[id,instance]は,例えばコピーされたファイルを操作する際に発生するかもしれない,同一の id 識別子を使ったセルの識別が可能になるように instance のための2番目のUUIDを含んでいる.
- NotebookObjectは,追加的な実装に依存する引数を含んでもよい.
- StandardFormおよびOutputFormでは,ノートブックオブジェクトはノートブック表示に使用されるウィンドウの現在のタイトルが示され出力される.
- NotebookPrintやNotebookClose等の関数の呼出しにおいて,NotebookObjectは引数として使われる.
- 開いているノートブックには必ず現在の選択範囲がある.現在の選択範囲はSelectionMove等の関数をNotebookObjectに適用することで変更可能である.
- NotebookObjectはノートブックが閉じられて再度開かれても,通常は有効のままである.
- NotebookObjectのInformationには,以下の特性が含まれることがある.
-
"WindowTitle" ノートブックのウィンドウタイトル "MemoryModificationTime" 変更タイムスタンプ "ModifiedInMemory" ノートブックが最後に保存されてから変更されたかどうか "StorageSystem" ノートブックの保存場所 "DocumentType" ノートブックのタイプ "MIMEType" アプリケーションのMIMEタイプ
例題
すべて開くすべて閉じる例 (1)
ノートブックを作成する関数はNotebookObject式を返す:
ノートブックに作用する関数はノートブックオブジェクトを引数として取る:
ノートブックのタイトルを変えるとNotebookObject式の表示方法が変わる:
NotebookObject式自体は変らない:
スコープ (4)
NotebookObjectを入手する方法はいくつかある:
NotebookObjectを使ってノートブック操作のノートブックを参照する:
ノートブックオブジェクトのInformationを得る:
NotebookGetを使ってもとになっているノートブック式を得る:
特性と関係 (2)
考えられる問題 (1)
ノートブックを閉じた後でNotebookObjectを操作することはできない:
テキスト
Wolfram Research (1996), NotebookObject, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NotebookObject.html (2022年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1996. "NotebookObject." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2022. https://reference.wolfram.com/language/ref/NotebookObject.html.
APA
Wolfram Language. (1996). NotebookObject. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/NotebookObject.html