RSolveValue

RSolveValue[eqn,expr,n]

独立変数 n を持つ常差分方程式 eqn の記号解によって決定された expr の値を与える.

RSolveValue[{eqn1,eqn2,},expr,]

差分方程式のリストについての記号解を用いる.

RSolveValue[eqn,expr,{n1,n2,}]

偏再帰方程式 eqn の解を用いる.

詳細とオプション

  • RSolveValue[eqn,a,n]a についての解を純関数として返す.
  • この方程式は a[n+λ]の形のオブジェクトを含むことができる.ただし,λ は定数,あるいは,一般に,a[ψ[n]]a[ψ[ψ[n]]a[ψ[[ψ[n]]]]の形のオブジェクトである.ψ は以下の形を取ることができる.
  • n+λ算術差分方程式
    μ n幾何方程式あるいは 差分方程式
    μ n+λ算術幾何関数差分方程式
    μ nα幾何ベキ関数差分方程式
    線形分数関数差分方程式
  • 端末条件の指定のために,a[0]==val のような方程式を与えることができる.
  • 端末条件が十分に指定されていない場合,RSolveValueは未定定数が導入される一般解を使う.
  • aVectors[p]あるいは aMatrices[{m,p}]という指定を使って従属変数 a がベクトル値あるいは行列値の変数であるを示すことができる. » »
  • RSolveValueによって導入される定数には,連続する整数で指標が付けられる.オプションGeneratedParametersで,各指標に適用される関数が指定される.デフォルトはGeneratedParameters->Cで,この場合は定数C[1], C[2], が与えられる.
  • GeneratedParameters->(Module[{C},C]&)は,RSolveValueを起動し直した後までも,積分定数が一意的であることを保証する.
  • 偏再帰方程式については,RSolveValueは任意の関数C[n][]を生成する.
  • RSolveValueが与える解は,Sumでは明示的に実行できない総和を含むことがある.そのような総和には,局所名があるダミー変数が使われる.
  • RSolveValue[eqn,a[Infinity],n]は,Infinityにおける解 a の極限値を与える.
  • RSolveValueは,常差分方程式および 差分方程式の両方を扱うことができる.
  • RSolveValueは,常差分方程式と同様に差分代数方程式も扱うことができる.
  • RSolveValueは,定数係数を持つ任意階数の線形再帰方程式を解くことができる.また,定数係数を持たない二階までの多くの線形方程式や多くの非線形方程式を解くことができる.
  • RSolveValue[u[t]sys,resp,t]は,離散時間モデルを解く際に使うことができる.sysTransferFunctionModelまたはStateSpaceModelでよく,応答関数 resp は以下のいずれかでよい. »
  • "StateResponse"入力 に対する sys の状態応答
    "OutputResponse"入力 に対する sys の出力応答

例題

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  (4)

差分方程式を解く:

境界条件を含ませる:

a についての「純関数」解を得る:

解をプロットする:

関数方程式を解く:

ある点における解の値を得る:

値のリスト:

スコープ  (54)

基本的な用法  (9)

一階差分方程式の一般解を計算する:

初期条件を加えて特殊解を得る:

一階差分方程式の解をプロットする:

値の表を作る:

第2引数に a を使って差分方程式の解を確かめる:

高階差分方程式の一般解を得る:

特殊解を得る:

差分方程式系を解く:

解をプロットする:

解を確かめる:

ある点における解の値を計算する:

Infinityにおける解の極限値を計算する:

偏差分方程式を解く:

特殊解を得る:

結果の解をプロットする:

一般解中の任意の定数に異なる名前を使う:

線形差分方程式  (7)

幾何方程式:

変数係数がある一階の方程式:

三階定数係数方程式:

初期値条件:

解をプロットする:

二階非同次方程式:

初等関数についての二階変数係数方程式:

オイラー・コーシー(EulerCauchy)方程式:

一般に,特殊関数は解を表現することが要求される:

定数係数を持つより次数が高い非同次方程式:

非線形差分方程式  (5)

可解のロジスティック方程式:

リッカティ(Riccati)方程式:

三角関数および双曲線関数についての解:

高階方程式:

非線形たたみ込み方程式:

差分方程式系  (8)

定数係数を持つ線形系:

境界条件があるもの:

これらの解をプロットする:

線形分数系:

対角系:

多項式解を持つ変数係数線形系:

線形定数係数差分代数系:

指標2の系:

ベクトル変数を使って線形系を解く:

行列変数を使って線形系を解く:

定数係数を持つ常微分方程式の非同次線形系を解く:

偏差分方程式  (3)

定数係数を持つ一階線形偏差分方程式:

自由関数C[1]の代りに関数Sin[2k]を用いる:

結果の解をプロットする:

階数が2,3,4の,定数係数線形方程式:

非同次方程式:

変数係数線形方程式:

q差分方程式  (6)

一階定数係数 差分方程式:

同じ方程式を表す同等の方法:

初期値:

二階方程式:

三階方程式:

非同次方程式:

に数値を使う:

解をプロットする:

線形変化係数方程式:

非線形方程式:

リッカチ方程式:

差分方程式の線形定数係数系:

関数差分方程式  (4)

算術差分方程式の一般解を求める:

解を確かめる:

算術幾何差分方程式について初期値問題を解く:

解をプロットする:

線形分数差分方程式を解く:

解の値の表を作る:

幾何ベキ差分方程式を解く:

解を確かめる:

回帰数列の極限  (5)

線形回帰数列の極限を計算する:

数列の極限値への収束を可視化する:

非線形回帰数列の極限を計算する:

数列の極限値への収束を可視化する:

三角回帰数列の極限を計算する:

数列の極限値への収束を可視化する:

二階回帰数列の極限を計算する:

数列の極限値への収束を可視化する:

差分方程式を満足するフィボナッチ数列について,隣接項の比,f[n+1]/f[n]の極限を計算する:

差分方程式を解いて比を求める:

DiscreteLimitを使って比の極限を計算する:

数列のその極限値への収束を可視化する:

代りに,RSolveValueの中でDiscreteLimitを使って極限を計算する:

系のモデル  (7)

正弦波入力に対する離散時間StateSpaceModelOutputResponseStateResponseを計算する:

正弦波入力に対する伝達関数モデルの出力応答:

非零の初期条件からの状態空間モデルの応答:

単一入力系の単位ステップ入力に対する状態応答:

8ステップの応答をプロットする:

一般的な離散時間系に対する状態応答:

単位ステップシーケンスに対する出力応答:

離散時間系の時間依存入力に対する出力応答:

τ=0.1に対する応答:

一般化と拡張  (2)

解の二乗についての式を得る:

境界条件がないと2つのパラメータが生成される:

1つの境界条件:

2つの境界条件:

オプション  (1)

GeneratedParameters  (1)

別々の名前を付けられた定数を使う:

下付き文字のある定数を使う:

アプリケーション  (13)

これは,年nにおける量a[n]をモデル化する.ただし,利子rは元金pに対してのみ払われる:

以下では,利子は現行の値a[n]について払われる.つまり,複利である:

以下では,a[n]は,n枚の円板についての「ハノイの塔」問題で必要な移動回数を表している:

以下では,a[n]n×3の空間を2×1のタイルで埋めるのに何通りあるかを表している:

二分検索問題の比較の数:

高速フーリエ(Fourier)変換における算術操作の数:

多重根号は非線形差分方程式を満足する:

多重根号の厳密値を計算する:

この数列の厳密値への収束を可視化する:

積分 は差分方程式を満たす:

積分 は差分方程式を満たす:

の級数係数についての差分方程式:

対角要素がc, a, bである n×n 三重対角行列の行列式は以下を満たす:

これは,次元 n の単位球の表面積 s[n]のモデルである:

次元nの単位球体の体積:

ニュートン法を に適用する,つまり,を計算する:

前進オイラー法を に適用すると以下が返される:

Karatsuba乗算の複雑さを説明する差分方程式を解く:

学校教科書の乗算の複雑さと比較する:

大きい n について,線形回帰の第 n 項を効率良く計算する:

特性と関係  (10)

RSolveValueは解についての式を返す:

RSolveは解についての規則を返す:

解は,その差分方程式と境界方程式を満足する:

Sumに対応する差分方程式:

Productに対応する差分方程式:

RSolveValueは差分方程式の記号解を求める:

RecurrenceTableは,同じ問題についての手続き的解を生成する:

FindLinearRecurrenceは,リストについての最小線形再帰を求める:

RSolveValueは,再帰を満足する数列を求める:

LinearRecurrenceは線形回帰の第 n 項を生成する:

RSolveValueを使って同じ結果を得る:

RecurrenceFilterを使って信号にフィルタをかける:

RSolveValueを使って対応する差分方程式を解く:

ARProcessに基づいて時系列の次の値を予測する:

RSolveValueを使って同じ結果を得る:

RFixedPointsを使って2つの再帰方程式の系の固定点を求める:

RStabilityConditionsを使って固定点の安定性を解析する:

固定点を初期条件として使って系を解く:

与えられた初期条件について系を解く:

解をプロットする:

考えられる問題  (4)

大文字の を独立変数として使うことはできない:

小文字の または に置き換えると問題は解決する:

この差分方程式の解は,数列として一意的である:

関数としては,周期 1の関数までしか一意的ではない:

RSolveValueは,解に複数の分枝が含まれる場合は,1つの分枝しか返さない:

RSolveを使って解のすべての分枝を得る:

方程式が下付き文字を持つ変数を含む場合の解を証明する:

おもしろい例題  (1)

関数の n 次の反復または合成を計算する:

Wolfram Research (2014), RSolveValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/RSolveValue.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2014), RSolveValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/RSolveValue.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2014. "RSolveValue." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/RSolveValue.html.

APA

Wolfram Language. (2014). RSolveValue. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/RSolveValue.html

BibTeX

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BibLaTeX

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