Molecule

Molecule[{atom1,atom2,},{bond1,bond2,}]

原子 atomiと結合 bondiを持つ分子を表す.

Molecule[name]

入力 name に対応する分子を与える.

詳細とオプション

  • Moleculeは,常に最適化表現に変換され,AtomQ等の関数に,あるいはパターンマッチングの目的では生のものとして扱わる.
  • name は以下のいずれの形でもよい.
  • "identifier"体系的な化学名,SMILES文字列またはInChI文字列
    Entity["Chemical",entity]化学実体
    ExternalIdentifier[type,id]与えられた type の外部識別子
    BioSequence[type,seq]与えられた type の生体分子配列
  • Molecule[ExternalIdentifier[type, id]]については,type は,"PubChemCompoundID""PubChemSubstanceID""InChI""ChEMBLID"のいずれかでよい.
  • ExternalIdentifierから分子を作るためにはインターネット接続が必要であり,構造情報は外部サービスを使って取り出される.
  • Molecule[BioSequence[type,seq]]type は,"DNA""RNA""Peptide""CircularDNA""CircularRNA""CircularPeptide""HybridStrand"のいずれかでなければならない.
  • 原子は次の形式で指定できる.
  • "sym"原子記号"sym"の原子(例:"C""Cl"
    Entity["Element",element]指定された元素の原子
    Entity["Isotope",isotope]指定された同位体の原子
    Atom[elemspec,"prop""val",]指定された特性を持つ原子
  • 結合は,Bond[{id1,id2},type]と入力できる.idiは原子インデックス,type"Single""Double""Triple""Aromatic"のいずれかである.
  • 水素原子は,その存在が,存在する原子の結合および価数から推測できる場合は,原子のリストから除外されることがある.
  • 次は,使用可能なオプションである.
  • AtomCoordinatesAutomatic三次元座標
    IncludeAromaticBondsTrue結合を"Aromatic"としてマークするかどうか
    MetaInformation<||>ユーザが与えたデータについての連想
    StereochemistryElements None局所的立体配置を指定する連想のリスト
    AtomDiagramCoordinatesAutomatic二次元座標
    ValenceFilling Automatic満たされていない原子価を水素で埋めるかどうか
  • MoleculeQ[mol]は,mol が有効な分子式に対応する場合にのみTrueを与える.
  • Graph[Molecule[]]Graphオブジェクトを返す.
  • 分子の特性値には mol["property"]でアクセスできるが,これはMoleculeValue[mol,"property"]に等しい.

例題

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  (4)

原子と結合のリストから分子を作る:

化学Entityから分子を作る:

SMILES文字列からMoleculeを作る:

体系的な化学名から分子を作る:

スコープ  (2)

Moleculeは,化学名の断片を読んで理解し,幅広い化学術語を解析することができる:

どの名前でも同じ分子が作られた:

"Element"実体および"Isotope"実体を使って原子のリストを作成する:

原子のリストは正則形式に変換された:

オプション  (5)

IncludeHydrogens  (2)

暗黙の水素を付加してSMILES文字列からMoleculeを作る:

IncludeHydrogensTrueにすると,すべての水素原子が明示的に含まれる:

これら2つの式は同じ分子を表しており,同じ特性値を返す:

しかし,両者の原子数は違う:

明示的な水素原子と暗黙的な水素原子を混ぜて分子を作る:

"SMILES"特性には明示的な水素が含まれる:

しかし,"CanonicalSMILES"はそうではない:

StereochemistryElements  (2)

立体の中心を定義して分子を作る:

上記の絶対的な立体構成を求める:

上記の光学異性体を作る:

上記の絶対的な立体構成を求める:

二重結合の周りに幾何学的に定義して分子を作る:

次に,その幾何異性体を作る:

この形状はSMILESとInChIの識別子に反映されている:

ValenceFilling  (1)

デフォルトで,空の原子価は水素原子で満たされる:

ValenceFillingNoneを使って開いた原子価を産めないようにする:

特性と関係  (1)

MoleculeからGraphを作る:

AnnotationValueを使ってグラフから原子の情報を取り出す:

考えられる問題  (2)

水素原子は原子リストから省略され,一般的な原子価から推測されることがある:

各炭素原子:

化学式は分子構造の決定には十分ではない:

Interpreterを使って,最初に適切な"Chemical"実体を求める:

おもしろい例題  (2)

特定の下部構造または官能基を含む分子の基をフィルタリングすることは,直感的で簡単である.実体クラスを使って分子のリストを作る:

次に,SMARTSパターンを使ってジアリールエーテルでもあるケトンだけを選択する:

2Dダイアグラムを生成し,ジアリールエーテル官能基をハイライトする:

同じ分子の異なる類語のWordCloudを,分子の構造線図とともに作成する:

Wolfram Research (2019), Molecule, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Molecule.html (2020年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2019), Molecule, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Molecule.html (2020年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2019. "Molecule." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2020. https://reference.wolfram.com/language/ref/Molecule.html.

APA

Wolfram Language. (2019). Molecule. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Molecule.html

BibTeX

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