TraditionalForm
TraditionalForm[expr]
式 expr を慣用的な数学表記に近い形で表示する.
詳細とオプション
- TraditionalFormの出力は必ずしも一意性を持たず,また,矛盾がないとは限らないので,そのままではWolfram言語の入力として使えないこともある. »
- ただし,TraditionalFormの生成するボックス形には,表示不可としたTagBoxとInterpretationBoxが挿入されるので一意的な解釈が可能になる.
- TraditionalFormでは,GraphicsとGraphics3Dは画像として表示される. »
- TraditionalFormの式はノートブック用フロントエンドで編集することができる.
- TraditionalFormの式には普通のキーボード文字の他に特殊文字も使われる. »
- TraditionalFormでは,慣用的な数学表記に近い表示を行うために膨大な規則集が使われる.
- TraditionalFormにおいて,Global`コンテキストの関数は f(x)の形で表示される.
- TraditionalFormの boxes を入力に変換するにはToExpression[boxes,TraditionalForm]を使う. »
- ノートブック用フロントエンドのメニューにTraditionalFormの変換と逆変換を行うコマンドが提供されている.
- TraditionalFormは,入力を評価するとTraditionalForm[expr]になるときは出力には現れない. »
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (9)
基本オブジェクト (2)
特殊な入力形 (4)
特殊な出力形 (3)
TraditionalFormをもとになっている式のFullFormと比較する:
省略された部分はInputFormを使うと可視となる:
特性と関係 (4)
TraditionalFormは,入力を評価するとTraditionalForm[expr]になるときは出力には現れない:
Outには,TraditionalForm[Sin[x]]ではなくSin[x]が割り当てられる:
TraditionalFormは二次元である:
StandardFormは二次元で入力として曖昧性がない:
OutputFormはキーボードの文字のみを使う:
InputFormとFullFormは一次元形式を提供する:
ToBoxesを使ってもとになっているボックス構造を見る:
ToExpressionを使ってボックスを通常の式に変換する:
Formatで書式を加える:
考えられる問題 (2)
TraditionalFormは曖昧である,すなわち,異なる式が同じように表示されることがある:
Wolfram言語は,曖昧ではない解釈のためのデータを含んだ書式を生成する:
TraditionalFormは,出力のトップレベルで省略されていても部分式からは削除されない:
出力はTraditionalFormではない:
しかし,変数 e はTraditionalFormなので,続く評価に影響するかもしれない:
TraditionalFormが介在するため積分は評価されない:
まず変数に割当てを行い.次に結果にTraditionalFormを適用することで計算可能性を維持する:
テキスト
Wolfram Research (1996), TraditionalForm, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TraditionalForm.html (2008年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1996. "TraditionalForm." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2008. https://reference.wolfram.com/language/ref/TraditionalForm.html.
APA
Wolfram Language. (1996). TraditionalForm. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/TraditionalForm.html