入力文法
■ 直接入力(例:+) |
■ 完全名で入力(例:∖[Alpha]) |
■ エイリアスで入力(例:EscaEsc)(注:ノートブックフロントエンドのみ有効) |
■ パレットからコピー(注:ノートブックフロントエンドのみ有効) |
■ 文字コードで入力(例:∖:03b1) |
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Wolfram言語カーネルへ入力されるすべての文字は,その文字が送られてくるストリームのオプションCharacterEncodingの設定に従い解釈される.
∖[Name] | 完全名で文字を入力する |
∖nnn | 8進法の文字コード nnn で入力する |
∖.nn | 16進法の文字コード nn で入力する |
∖:nnnn | 16進法の文字コード nnnn で入力する |
∖nnnnnn | 16進法の文字コード nnnnnn で入力する |
文字コードはToCharacterCodeを使い取得できる.得られる文字コード番号はUnicode規格とその拡張規格に準じる.
8ビット形式の文字には256未満のコードが,16ビット文字には256から65535の文字コードが与えられている.文字のコードはすべて1114112未満である.Wolfram言語では約1200個の文字に対して明示的に名前が与えられている.それ以外の文字は文字コードで入力する.
∖∖ | バックスラッシュ(10進コード:92) |
∖ | シングルスペース(10進コード:32) |
∖ | ダブルクォート(10進コード:34) |
∖b | バックスペースまたはCtrl+H(10進コード:8) |
∖t | タブまたはCtrl+I(10進コード:9) |
∖n | 改行文字またはCtrl+J(10進コード:10,完全名∖[NewLine]) |
∖f | 改ページ文字またはCtrl+L(10進コード:12) |
∖r | リターンまたはCtrl+M(10進コード:13) |
∖000 | ヌル文字(コード:0) |
標準入力にかかわるWolfram言語の文法は,InputForm(入力形)とStandardForm(標準形)でデフォルトで使用されているものである.文法は,MakeExpression[expr,form]で定義を作ることにより変更できる.
つまるところ,入力の文法は文字列やボックスを式としてどう解釈するかを定めたものである.例えば,ノートブック用フロントエンドにおいてボックスが入力されるとき,ボックスの解釈を変更するInterpretationBoxやTagBoxを表示しないようにすることができるのである.
"characters" | 文字列 |
∖"
| ダブルクォート"を入力する |
∖∖
| バックスラッシュ記号∖を入力する |
∖(行の終り) | 文字列の入力の際,この中では改行を改行のまま扱う |
∖!∖(…∖)
| 二次元のボックス記述に使う |
ノートブックフロントエンドでは,Wolfram言語に保存された文字列がペーストされたのと同じように再生できるように,デフォルトで文字列にペーストされたテキストには自動的に適当な ∖ 記号が挿入される.
StringExpressionオブジェクトはパターン要素のような記号的なコンストラクトが入っている文字列を表すのに使うことができる.
name | シンボル名 |
`name | 現行コンテキストにあるシンボル |
context`name | 指定したコンテキストにあるシンボル |
context` | コンテキスト名 |
context1`context2` | 複合コンテキスト名 |
`context` | 現在のコンテキストに相対的なコンテキスト |
シンボル名やコンテキストには,Wolfram言語で文字や文字的な記号として扱われるものならどれも使用可能である.また,名前の先頭以外では数字も使用できる.コンテキストはバッククォート(`)で終らなければならない.
digits | 整数 |
digits.digits | 近似数 |
base^^digits | 整数,任意の底 |
base^^digits.digits | 近似数,任意の底 |
mantissa*^n |
科学表記 (
mantissa
×
10n
)
|
base^^mantissa*^n |
科学表記,任意の底 (
mantissa
×
basen
)
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number` | 近似数,機械精度 |
number`s | 近似数,任意精度,精度 桁 |
number``s | 近似数,任意精度,確度 桁 |
2〜36の底の数は base^^digits の形式で入力できる.その際底自体は10進数で与える.10より大きい底を使うときは,追加の桁にa–zまたはA–Zのアルファベットを使う.この場合大文字と小文字の区別はない.浮動点数を表すには digits に小数点(.)を付加する.
近似値 はその桁数がCeiling[$MachinePrecision+1]以下の場合は機械精度であると解釈される.桁数がこれより多ければ, は任意精度の数と解釈される. の確度は小数点の右側の桁数であり,精度はLog[10,Abs[x]]+Accuracy[x]であると解釈される.
{e1,e2,…} | List[e1,e2,…] |
<e1,e2,… > | Association[e1,e2,…] |
e1,e2,… | Association[e1,e2,…] |
〈e1,e2,…〉 | AngleBracket[e1,e2,…] |
⌊expr⌋ | Floor[expr] |
⌈expr⌉ | Ceiling[expr] |
e1,e2,… | BracketingBar[e1,e2,…] |
e1,e2,… | DoubleBracketingBar[e1,e2,…] |
∖(input∖) | ボックスの入力,またはボックスのグループ化 |
Wolfram言語には,ブラケット型の式の他,多数の中置演算子,前置演算子,後置演算子がある.この中には数学演算,文字列処理,パターンマッチング,関数型プログラミング等のための演算子も含まれる.詳しい優先順位や結合性についての情報は「演算子の入力形」に記載されている.
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や のように被演算子の範囲が演算子により覆われている場合,優先順位に関して特に考える必要はない. や のような形式の場合,左方向の優先順位が判明していなければいけない.そのため,そのような形の優先順位が上記の表に示されている.
コントロールキー
Ctrl+2 または Ctrl+@ | 平方根 |
Ctrl+5 または Ctrl+% | 反対位置に移動(例:下付き文字から上付き文字へ移る) |
Ctrl+6 または Ctrl+^ | 上付き文字 |
Ctrl+7 または Ctrl+& | 真上付き文字 |
Ctrl+9 または Ctrl+( | テキストの途中で新たなセルを開始する |
Ctrl+0 または Ctrl+) | テキストの途中で新たなセルを終了する |
Ctrl+- または Ctrl+_ | 下付き文字 |
Ctrl
+
Shift
+
,
| 真下付き文字 |
Ctrl
+
Enter
| 表に新たな行を設ける |
Ctrl
+
,
| 表に新たな列を設ける |
Ctrl
+
.
| 選択範囲を拡げる |
Ctrl
+
/
| 分数 |
Ctrl
+
Space
| 現在点,現行状況から退避する |
Ctrl
+
←
,
Ctrl
+
→
,
Ctrl
+
↑
,
Ctrl
+
↓
| オブジェクトをスクリーン上の最小単位分移動させる |
テキスト記述によるボックスの構築
文字列による入力
記号\( と\)の間に記述されるテキスト入力はボックスを構成するためのものと解釈される.\!を指定したときにのみボックスの解釈を行う.指定しなかったら,入力形 x\^y は,例えばSuperscriptBox[x,y]として残され,Power[x,y]へは変換されない.
∖(box1,box2,…∖) | RowBox[box1,box2,…] |
box1∖^box2 | SuperscriptBox[box1,box2] |
box1∖_box2 | SubscriptBox[box1,box2] |
box1∖_box2∖%box3 | SubsuperscriptBox[box1,box2,box3] |
box1∖&box2 | OverscriptBox[box1,box2] |
box1∖+box2 | UnderscriptBox[box1,box2] |
box1∖+box2∖%box3 | UnderoverscriptBox[box1,box2,box3] |
box1∖/box2 | FractionBox[box1,box2] |
\@box | SqrtBox[box] |
form∖` box | FormBox[box,form] |
\*input | input を解釈してボックスを構築する |
\␣ | スペースの挿入 |
\n | 改行の挿入 |
\t | 行の先頭でインデントする |
\( と\)の間に入力した文字列中のスペース,タブ,改行文字は削除される.スペースを挿入したい場合は∖␣を使う.特殊な間隔調整文字である\[ThinSpace],\[ThickSpace],\[NegativeThinSpace]等は削除されない.
タイプセット形式を文字列に挿入する場合,その文字列の内部表現では上記の形式が使われる.フロントエンドではタイプセット形式が表示されるが,内容をファイルに保存する場合や文字列をカーネルに送り評価する場合は,\(…∖)の表記が使われる.
一方,行末に ∖ や (\[Continuation])を置くことで式の入力が修了していないことを明示することもできる.このとき,Wolfram言語は続く行の先頭のスペースやタブを除去したのち,式に取り込む.
?symbol | シンボルに関する情報を得る |
??symbol | より詳しい情報を得る |
?s1s2… | 複数のオブジェクトに関して情報を得る |
! command | 外部コマンドを実行する(テキストベースのインターフェースのみ) |
外部ファイルの内容を表示する(テキストベースのインターフェースのみ) |
- 通常のWolfram言語関数のFullForm.
- {…}の形式によるリスト.->,:>,&の演算子,#の形式のスロット.
- +,*,;等のさまざまなWolfram言語演算子.
- ∖[Name],∖:nnnn,∖.xx の形式による特殊文字.
- ∖(,∖)や他のバックスラッシュを用いた演算子による,ボックスの文字列表記.
- (*と*)で区切られたコメント文.