ExponentialPowerDistribution

ExponentialPowerDistribution[κ,μ,σ]

形状母数 κ,位置母数 μ,尺度母数 σ の指数ベキ分布を表す.

ExponentialPowerDistribution[κ]

位置母数0,尺度母数1の指数ベキ分布を表す.

詳細

予備知識

  • ExponentialPowerDistribution[κ,μ,σ]は,実数集合上で定義され,実数 μ (「位置母数」と呼ばれる)と2つの正の実数 κ および σ(それぞれ「形状母数」および「尺度母数」と呼ばれる)でパラメータ化された連続統計分布を表す.母数 μ は,指数ベキ分布の確率密度関数(PDF)の「峰」(つまり,絶対最大値)の水平位置を決定する.PDFは常に単峰であるが,グラフの全体的な高さや傾きは κ および σ の値によって決定される.加えて,PDFの裾部は の大きい値についてPDFが指数的にではなく代数的に減少するという意味で「厚い」(この動作は分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に正確にできる).指数ベキ分布は一般化した正規分布と呼ばれることがあるが,この言葉は非対称分布の無関係な族を指すことがあるので注意が必要である.
  • 指数ベキ分布は,形状母数 κ を加える一般化された正規分布(NormalDistribution) と考えることができる.この変化形は,対称ではあるが「広がり」が大きく,高さは高く,「点が鋭い」(つまり,微分が不可能な点)分布になる.指数ベキ分布は,1970年代の中頃,Robert SmithおよびLee Bainによって,寿命モデルとして初めて提案された.この分布は,それ以来,さまざまな種類のガンに罹患している患者の生存率,運動選手の血漿集中測定,製造業で使用される物質が割れる頻度,金融市場で支払われる利益等の,数多くの現象のモデル化に使われている.
  • RandomVariateを使って指数ベキ分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,ExponentialPowerDistribution[κ,μ,σ]](より簡略すると xExponentialPowerDistribution[κ,μ,σ])を使って,確率変数 x が,指数ベキ分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[ExponentialPowerDistribution[κ,μ,σ],x]およびCDF[ExponentialPowerDistribution[κ,μ,σ],x]を使って得られることがある.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が指数ベキ分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック指数ベキ分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを指数ベキ分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号指数ベキ分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号指数ベキ分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換された指数ベキ分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って指数ベキ分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って指数ベキ分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • 指数ベキ分布は他の多くの分布に関連している.例えば,ExponentialPowerDistribution[2,μ,σ]のPDFがNormalDistribution[μ,σ]のそれと同じであるという意味で,ExponentialPowerDistributionは,NormalDistributionの明らかな一般化である.ExponentialPowerDistributionは,ExponentialPowerDistribution[1,μ,β]LaplaceDistribution[μ,β]と同じCDFを持つという意味で,LaplaceDistributionの一般化でもある.DirichletDistributionからの確率ベクトルの長さの分布はExponentialPowerDistributionによって平滑にモデル化することができる.加えて,ExponentialPowerDistributionStudentTDistributionChiDistributionMaxwellDistributionRayleighDistributionRiceDistributionと定性的に関係している.

例題

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  (4)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

中央値:

スコープ  (8)

指数ベキ分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

そのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

指数ベキ分布は対称性を有する:

尖度は形状母数 κ のみに依存する:

尖度の極限値:

母数の関数としての閉形式の種々のモーメント:

Moment

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

ハザード関数は形状母数 κ によって形が異なる:

分位関数:

母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:

QuartileDeviationを求める:

アプリケーション  (1)

ExponentialPowerDistributionDirichletDistributionに従う確率ベクトルの長さの分布の平滑化近似として使うことができる:

確率密度関数:

サンプルを作る:

指数ベキ分布をデータにフィットする:

サンプルのヒストグラムを両分布の確率密度関数と比較する:

平均を比べる:

特性と関係  (5)

指数ベキ分布は平行移動と正の因子によるスケーリングの下では閉じている:

ExponentialPowerDistributionは形状母数 κ の値によってNormalDistributionよりも狭くも広くもなる:

他の分布との関係:

LaplaceDistributionは指数ベキ分布の特殊ケースである:

NormalDistributionExponentialPowerDistributionの特殊ケースである:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ κ のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2010), ExponentialPowerDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ExponentialPowerDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), ExponentialPowerDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ExponentialPowerDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "ExponentialPowerDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/ExponentialPowerDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2010). ExponentialPowerDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ExponentialPowerDistribution.html

BibTeX

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