GeoDistance
GeoDistance[{lat1,lon1},{lat2,lon2}]
地球上の緯度・経度位置間の測地距離を与える.
GeoDistance[loc1,loc2]
位置オブジェクトまたは地理実体で指定された位置間の距離を与える.
GeoDistance[{loc1,…,locn}]
中間のすべての lociを通る,loc1から locnまでの総距離を与える.
詳細とオプション
- GeoDistance[loc1,loc2]は,位置 loc1から loc2までの距離を,準拠楕円体の表面上で両者を繋ぐ測地線に沿った計測で与える.高さは無視される.
- 結果は長さの次元のあるQuantityオブジェクトで与えられる.使用される単位は,オプションUnitSystem(デフォルト値は$UnitSystem)で選ぶことができる.
- 経緯度は度を単位とした数,DMS文字列,あるいはQuantity角として与えることができる.
- GeoDistance[loc1,loc2]中の位置オブジェクトは,GeoPosition,GeoPositionXYZ,GeoPositionENU,GeoGridPositionの各オブジェクトとして与えることができる.
- GeoDistance[loc1,loc2]では,lociは"City","Country","AdministrativeDivision"等の領域のEntityオブジェクトでよい."HistoricalCountry"や"MilitaryConflict"のような領域の時間依存実体も使うことができる.
- 拡張された地理領域に対応する実体については,GeoDistanceは,デフォルトで,領域内の任意の点の間の最短距離を計算する.
- 時間依存実体については,GeoDistanceは,デフォルトで,それらが最接近した瞬間に対応する距離を計算する.
- GeoDistance[loc1,loc2]は,デフォルトで,loc1についての測地系に関連付けられた準拠楕円体を使う.
- GeoDistanceは,自動的に位置のリストあるいはGeoPosition配列に縫い込まれるので,GeoDistance[loc,locs]は距離のリストを.GeoDistance[locs1,locs2]は距離行列を返す.結果はQuantityArrayオブジェクトとして与えられる.
- GeoDistanceおよびGeoDirection,あるいはGeoDisplacementにおけるその組合せは,測地逆問題を解く.
- GeoDistanceには,次の設定値が使えるDistanceFunctionオプションがある.
-
"Boundary" 領域内の任意の点の間の最短距離 "Center" 領域の中心間の距離 "SignedBoundary" 境界までの距離.負の数は内点を表す - GeoDistanceは,デフォルトで,DistanceFunction"Boundary"の設定を使う.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (6)
スコープ (11)
地理データ (8)
デフォルトの測地系"ITRF00"のパラメータを使った地球上の任意の2点間の距離:
Quantityオブジェクトとして指定することもできる:
Entityオブジェクト間の距離を計算する:
Entityオブジェクトと地理位置間の距離を計算する:
共通の位置から位置のリストまでの距離を任意の形式で計算する:
結果のQuantityArrayオブジェクトを正規化する:
高さと時間の情報はGeoDistanceの計算では無視される:
歴史データ (3)
2つの歴史的実体間の距離は,両者の領土間の最小距離でもある:
GeoVariantを使うと,"UnionArea"は時間的情報無視した計算を行う:
Datedは歴史的実体を特定の日付に限定する:
Datedは,日付期間あるいは日付あるいは年のペアで与えることもできる:
歴史的実体と歴史的ではない実体の間の距離は,すべての領土を使って計算される:
Datedを使って多角形を指定された日付あるい期間に制限することもできる:
オプション (2)
DistanceFunction (1)
UnitSystem (1)
結果のデフォルト単位は$UnitSystemの値によって決定される:
アプリケーション (2)
特性と関係 (10)
GeoDistanceは対称関数である:
GeoDistanceはGeoDestinationの部分的な逆関数である:
GeoDistanceは点状の位置についてGeoDisplacementが返す結果の一部を返す:
指定された経線角 α に相当する距離は,極が近付くにつれて長くなる:
点のリストの連続するペア間の距離をGeoDistanceListで計算する:
PartitionとGeoDistanceを使っても同じ結果が得られるが,あまり効率的ではない:
GeoDistanceは点と点の間の距離を計算する:
GeoLengthは地理経路の長さを計算する:
距離のリストはGeoDistanceListで求めることもできる:
考えられる問題 (2)
拡張された地理実体間の距離は,デフォルトで境界間で計算されるので,隣接実体間ではゼロになる:
時間的に共存しない2つの歴史的実体のGeoDistanceは未評価で返される:
テキスト
Wolfram Research (2008), GeoDistance, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoDistance.html (2024年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2008. "GeoDistance." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoDistance.html.
APA
Wolfram Language. (2008). GeoDistance. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoDistance.html