TsallisQGaussianDistribution

TsallisQGaussianDistribution[μ,β,q]

平均 μ,尺度母数 β,変形母数 q のTsallis ガウス分布を表す.

TsallisQGaussianDistribution[q]

平均0,尺度母数1のTsallis ガウス分布を表す.

詳細

予備知識

  • TsallisQGaussianDistribution[μ,β,q]は,正の実数 β(「尺度母数」と呼ばれる)および実数で μ おいおよび (それぞれ,分布の平均と「変形母数」)でパラメータ化された「連続統計分布を表す.これらの母数は,ともに,確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.一般に,Tsallis ガウス分布のPDFは単一の「峰」(大域的最大値)を持つ単峰性であるが,全体的な形(台,高さ,広がり,最大値の水平位置)は μβ の値で決定される.加えて,PDF()のときにのみ定義される)の裾部は,普通は「厚い」(つまり,PDFは の大きい値について非指数的に減少する)が,については「薄い」(PDFが の大きい値について指数的に減少する).(定義された場合は,分布のSurvivalFunctionを分析することで動作を数量的に厳密にすることができる.)Tsallis ガウス分布は,単に ガウス分布と呼ばれることも多い.1引数の形のTsallisQGaussianDistribution[q]TsallisQGaussianDistribution[0,1,q] に等しく,標準 ガウス分布と呼ばれることもある.
  • Tsallis ガウス分布はブラジル人の物理学者であるConstantino Tsallisに因んで名付けられたもので,(統計力学における)ある種の条件に従ういわゆるTsallisエントロピーを最大化したものから派生している.Tsallis ガウス分布は,関連する 指数分布とともに,集合的にTsallis分布と呼ばれる上記の過程によって派生された確率分布族の一つである.Tsallis ガウス分布は,経済学,金融,保険数理等の分野における,富の分布や資産評価のような現象のモデル化に使われてきた.
  • RandomVariateを使って,Tsallis ガウス分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,TsallisQGaussianDistribution[μ,β,q]](より簡略な表記では xTsallisQGaussianDistribution[μ,β,q])を使って,確率変数 x がTsallis ガウス分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • Tsallis ガウス分布の確率密度関数および累積分布関数は,PDF[TsallisQGaussianDistribution[μ,β,q],x]およびCDF[TsallisQGaussianDistribution[μ,β,q],x]を使って得られることがある.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合がTsallis ガウス分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリックTsallis ガウス分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータをTsallis ガウス分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号Tsallis ガウス分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号Tsallis ガウス分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換されたTsallis ガウス分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使ってTsallis ガウス分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使ってTsallis ガウス分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • TsallisQGaussianDistributionは他の数多くの分布と関連している.TsallisQGaussianDistributionは,のときはTsallisQGaussianDistribution[μ,β,1]のPDFがNormalDistribution[μ,β]のPDFと厳密に等しいという意味でNormalDistributionの直接の一般化である.TsallisQGaussianDistributionは,TsallisQGaussianDistribution[μ,β,2]CauchyDistribution[μ,β ]に等しいCauchyDistributionの例として実現することができ,TsallisQExponentialDistributionExponentialDistributionStudentTDistributionWeibullDistributionとも密接に関係している.

例題

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  (4)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

中央値:

スコープ  (7)

ガウス分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

そのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度:

尖度:

極限:

ハザード関数:

固定された q 値についてのハザード関数:

分位関数:

q のある種の有理値については分位関数を閉形式で評価することができる:

母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:

平均を求める:

アプリケーション  (1)

ガウス分布を使って株価の対数収益率における差をモデル化することができる:

分布をデータにフィットし,NormalDistributionによるフィットと比較する:

データのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

裾の重い動作を詳しく調べる:

価格における対数差が$0.1より大きくなる確率を求める:

連続する30日間における価格の対数差のシミュレーションを行う:

特性と関係  (5)

ガウス分布はスケーリングと平行移動の下では閉じている:

1に近い q については,sallisQGaussianDistributionNormalDistributionに似た動作を示す:

他の分布との関係:

ガウス分布は についてNormalDistributionに簡約される:

ガウス分布は についてCauchyDistributionに簡約される:

考えられる問題  (2)

TsallisQGaussianDistributionμ が実数ではない場合は定義されない:

TsallisQGaussianDistributionβ が正の実数ではない場合は定義されない:

TsallisQGaussianDistributionq が3より小さい実数ではない場合は定義されない:

記号出力への無効な母数の代入は意味のない結果を返す:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ q のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2012), TsallisQGaussianDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQGaussianDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), TsallisQGaussianDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQGaussianDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "TsallisQGaussianDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQGaussianDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2012). TsallisQGaussianDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQGaussianDistribution.html

BibTeX

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