TemporalData
TemporalData[{v1,v2,…},tspec]
tspec で指定された時点における値 viの時間データを表す.
TemporalData[{{v11,v12,…},{v21,v22,…},…},tspec]
tspec で指定された時点における値 vijの時間データの集合を表す.
TemporalData[{{t1,v1},{t2,v2}…}]
時点と値のペア{ti,vi}で指定された時間データを表す.
TemporalData[{{{t11,v11},{t12,v12}…},{{t21,v21},{t22,v22},…},…}]
時点と値のペア{tij,vij}のリストとして与えられた時間データの集合を表す.
詳細とオプション
- TemporalDataは時点と値のペア{tij,vij}からなる経路の集合を表す.
- 値 vijは任意の次元のスカラーあるいは配列でよい.しかし,すべての次元が等しくなければならない.
- 次の時点 tspec を与えることができる.
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Automatic 0から始まる等間隔の時点を使う {tmin} tminから始まる等間隔の時点を使う {tmin,tmax} tminから tmaxまでの等間隔の時点を使う {tmin,tmax,dt} tminから tmaxまでの時点を刻み幅 dt で使う {{t1,t2,…}} 明示的な時点{t1,t2,…}を使う {tspec1,tspec2,…} 集合の中のそれぞれの経路に異なる時点を使う - tij は数またはAbsoluteTimeへの任意の有効な入力でよい.
- 値 tmin,tmax,dt は,数,日付,あるいはAutomaticとして与えることができる.
- 等しい次元のTemporalDataオブジェクト{td1,td2,…}は,TemporalData[{td1,td2,…}]を使って単一のオブジェクトに結合することができる.
- Normal[td]は各経路について時点と値のペア{tij,vij}を含むリストを返す.
- td[t]を指定することで時点 t における経験的なスライス分布が与えられる.
- 時点{t1,t2,…}についての結合経験スライス分布は td[{t1,t2,…}]を指定することで得ることができる.
- TemporalData オブジェクト td の特性は td["property"]から得ることができる.
- 使用可能な特性のリストは td["Properties"]で得ることができる.
- 経路集合のいくつかの特性
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"Components" 集合を個々の要素に分割する "PathCount" 集合中の経路数 "PathLengths" 各経路の長さを含むリスト "Paths" 各経路の時点と値のペア {tij,sij}を含むリスト "DatePaths" 各経路についての日付と値のペアを含むリスト "TimeList" 各経路の時点 tij を含むリスト "DateList" 各経路について,tijを日付として含むリスト "ValueDimensions" 値の次元 "ValueList" 各経路の値 vij を含むリスト "FirstTimes" 各経路の初回のリスト "FirstDates" 各経路についての日付としての初回のリスト "LastTimes" 各経路についての最終回のリスト "LastDates" 各経路についての日付としての最終回のリスト "FirstValues" 各経路についての初回の値のリスト "LastValues" 各経路についての最終回の値のリスト - 日付が入力として与えられた場合,td["Times"]はそれらをAbsoluteTimeで返す.
- 集合の部分を得るための特性
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"Part" もとのデータの部分集合 "Path" 指定された経路の時点と値のペア{tij,vij} "DatePath" 指定された経路についての日付と値のペア{dateij,vij} "PathComponents" 多変量のパスを一変量の成分に分割する "PathFunction" 補間経路関数 "Values" 指定された経路についての値 vi "Times" 指定された経路についての時点 ti "Dates" 指定された経路についての日付としての時点 ti "SliceData" 指定された時点におけるすべての経路を通るスライス "SliceDistribution" 指定された時点におけるスライスデータの経験分布 "FirstTime" 指定された経路についての初回 t1 "FirstDate" 指定された経路についての日付としての初回 t1 "LastTime" 指定された経路についての最終回 "LastDate" 指定された経路についての日付としての最終回 "FirstValue" 指定された経路についての初回の値 v1 "LastValue" 指定された経路についての最終回の値 - td["Path",p]を指定すると p で指定された経路の時点と値のペアが与えられる.ただし,p は任意の有効なPart指定である.
- 特性 td["PathFunction",p]は p で指定された経路を補間して返す.
- td["PathComponent",p]を指定すると,p で指定された値のベクトル成分についてのTemporalDataが与えられる.
- td["Part",p,tspec]を指定すると p によって指定された経路と tspec によって指定された時点のTemporalData が返される.必要であれば,"PathFunction"に従って経路を再度サンプリングすることができる.
- td["SliceData",t]を指定すると,時点 t におけるすべての経路を通るスライスが返される.ただし,t は数あるいはAbsoluteTimeへの有効な入力である.
- td["SliceData",{t1,t2,…}]の指定で時点{t1,t2,…}における多変量スライスが与えられる.
- TemporalDataは次のオプションを取る.
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CalendarType "Gregorian" 使用する暦の種類 HolidayCalendar {"UnitedStates","Default"} 使用する祝日の暦 TimeZone $TimeZone 使用する時刻帯 MetaInformation None 追加的なメタデータ情報を含む MissingDataMethod None 欠測値に使うメソッド ResamplingMethod "Interpolation" 経路のリサンプリングに使うメソッド ValueDimensions Automatic 値の次元 TemporalRegularity Automatic データが規則的であると仮定するかどうか DateFunction Automatic どのように日付を標準形に変換するか - デフォルトで,経路のリサンプリングには0次補間が使われる.設定ResamplingMethod->{"Interpolation",opts}を使うことができる.ただし,opts はInterpolationに渡されるオプションである.
- ValueDimensions->dim の設定では,値 vij が次元 dim になる.ValueDimensions->Automaticと設定すると,データから値の次元を自動的に決定しようと試みる.
- MissingDataMethod->Automaticと設定すると頭部Missingの値がResamplingMethod設定に従って自動的に補間される.デフォルトで,頭部がMissingの値は欠測値として扱われる.
- TemporalDataのInformationは以下の特性を含むことがある.
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"DateInterval" 開始日と終了日 "DataPoints" データ点の数 "Regular" データが定期的にサンプリングされているかどうか "OutputDimensions" 値出力の次元 "Metadata" すべてのメタデータ
例題
すべて開くすべて閉じる例 (3)
時点 のMeanとStandardDeviationを計算する:
DateListPlotで金融時系列をプロットする:
スコープ (40)
基本的な用法 (5)
RandomFunctionを使ってランダム過程のサンプル経路を生成する:
過程とデータのCorrelationFunctionを比較する:
値と時点を指定する (19)
Automaticというタイムスタンプの付いた値のリストを与える:
AbsoluteTimeへの有効な入力として日付を与えることができる:
Automaticの端点を指定する:
Automaticの端点と固定刻み幅を使う:
開始点をAutomaticとし,与えられた頻度を使う:
特性と部分の抽出 (13)
値はQuantityArrayとして与えられる:
時間データの演算 (3)
数値的でリスト可能な関数は,TemporalDataの値に自動的に縫い込まれる:
TimeSeriesMapの結果と比較する:
いくつかのTemporalDataオブジェクトを同一のタイムスタンプと組み合せて値に縫い込む:
オプション (22)
CalendarType (1)
CalendarTypeを使って特殊な暦の日付としてタイムスタンプを指定する:
DateFunction (2)
HolidayCalendar (1)
HolidayCalendarを使って指定された国の営業日を可視化する:
MetaInformation (4)
追加されたメタデータは他の任意の特性と同じように使うことができる:
MetaInformationを使ってPlotLegendsを指定する:
使用可能なMetaInformationを見る:
MetaInformationを使ってベクトル値TemporalData内の経路成分に名前を付ける:
MetaInformationを使って経路に名前を付ける:
MissingDataMethod (5)
デフォルトで,頭部がMissingの値は欠測値として扱われる:
Automaticの設定はResamplingMethod設定を使う:
ResamplingMethodがNoneに設定されていると,欠測値は補間されない:
欠測データを扱う方法はResamplingMethodと合致する必要はない:
ResamplingMethod (6)
デフォルトで,"PathFunction"は左から値をホールドする0次経路を与える:
InterpolationOrderを1に設定する:
メソッドをNoneに設定すると,データに現れていない値は欠測値として扱われる:
定数Missing[]を使っても同様の結果が得られる:
TimeZone (1)
TemporalDataの時刻帯を指定する:
タイムスタンプは$TimeZoneで作られるが,日付はこのオプションで指定された時刻帯で表示される:
ValueDimensions (1)
アプリケーション (2)
データについての分散関数を過程についての分散関数と比較する:
TransformedProcessのスライスの分散を推定する:
特性と関係 (3)
TemporalDataはTimeSeriesに関連している:
TimeSeriesは単一の経路しか含むことができない:
TimeSeriesのスライス動作はTemporalDataとは異なる:
TimeSeriesオブジェクトを結合して単一のTemporalDataオブジェクトにすることができる:
TemporalDataはEventSeriesの一般化である:
TemporalDataとは異なり,EventSeriesは補間しない:
考えられる問題 (5)
デフォルトで,これは次元1の5本の経路のまとまりとして解釈される:
ValueDimensionsを2に設定すると,データは次元2の1本の経路として解釈される:
Accumulateはサンプルを取り直して規則的にサンプルを取った時間データを作成する:
この動作を回復するためにTemporalRegularityを仮定する:
別の方法として,新たな値を0に設定することでResamplingMethodを指定することが考えられる:
ResamplingMethod指定が実装されたものではない場合は値Automaticが仮定される:
テキスト
Wolfram Research (2012), TemporalData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TemporalData.html (2019年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2012. "TemporalData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2019. https://reference.wolfram.com/language/ref/TemporalData.html.
APA
Wolfram Language. (2012). TemporalData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/TemporalData.html