SymmetricMatrixQ
詳細とオプション
- m==Transpose[m]のとき,行列 m は対称行列である.
- SymmetricMatrixQは,記号行列にも数値行列と同じように使うことができる.
- 使用可能なオプション
-
SameTest Automatic 式の等価性を検定する関数 Tolerance Automatic 近似数の許容範囲 - 厳密行列あるいは記号行列の場合は,オプションSameTest->f は,f[mij,mkl]がTrueを返す場合は2つの項 mijおよび mklが等しいと解釈できることを示す.
- 近似行列の場合は,オプションTolerance->t を使って,Abs[mij]≤t であるすべての項がゼロであると解釈できることを示すことができる.
- 行列の項 Abs[mij]>t について,等価性の比較は最後のビットを除いて行われる.ただし, はMachinePrecision行列については$MachineEpsilon,Precision の行列についてははである.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (10)
基本的な用法 (6)
特殊行列 (4)
オプション (2)
SameTest (1)
この行列は正の実数 については対称行列であるが,SymmetricMatrixQはFalseを返す:
オプションSameTestを使って正しい答を得る:
Tolerance (1)
アプリケーション (13)
対称行列の生成 (4)
Tableを使って対称行列を生成する:
SymmetrizedArrayは対称性のある行列(および一般配列)が生成できる:
Normalを使って通常の行列に変換し直す:
GaussianOrthogonalMatrixDistributionから導かれた行列が対称行列かどうかをチェックする:
CircularOrthogonalMatrixDistributionから導かれた行列は対称かつユニタリである:
ジョルダン(Jordan)行列はすべて対称行列と相似である.任意の正方行列はそのジョルダン形と相似であるので,このことは,任意の正方行列が対称行列と相似であることを意味する.固有値 について ジョルダンブロックを生成する関数を定義する:
例えば,次は固有値に ついて次元が4のジョルダン行列である:
この行列はに恒等行列を掛けたものとに後退恒等行列を掛けたものの和である:
対称行列の例 (5)
FourierMatrixを含む特殊行列の多くは対称行列である:
DiskMatrixを含む多くのフィルタカーネル行列は対称である:
無向グラフのAdjacencyMatrixは対称行列である:
KirchhoffMatrixもそうである:
統計尺度の中にはCovariance等の対称行列が含まれる:
対称行列の用法 (4)
正定値実対称行列つまり測定基準 は によって内積を定義する:
慣性モーメントテンソルは回転運動の質量に相当する.たとえば,運動エネルギーは であり,式の質量 の代りに が使用され,線速度 の代りに角速度 が使用されている. は正定値対称行列で表すことができる.原点と正の座標軸に端点がある四面体について慣性モーメントを計算する:
が非零である限り運動エネルギーは正で,行列が正定値であることを示している:
一般的なメソッドへのフェイルオーバーがある別の方法を,対称行列に使う:
非対称行列mについては,関数myLSはガウス消去法のみを使う:
特性と関係 (14)
SymmetricMatrixQ[x]は行列ではない任意の x に対して自明にFalseを返す:
mTranspose[m]のとき,その行列は対称行列である:
Symmetrizeを使って行列の対称部分を計算する:
これは m とTranspose[m]の平均に等しい:
任意の行列を,その対称部分と反対称部分の和で表すことができる:
AntisymmetricMatrixQを使って行列が反対称かどうかを調べることができる:
実対称行列 m についてのMatrixExp[I m]はユニタリ行列である:
Eigenvaluesを使って固有値を求める:
複素数値の対称行列は実数と複素数両方の固有値を持つかもしれない点に注意のこと:
実対称行列 m のCharacteristicPolynomial[m,x]を因子分解すると線形項になる:
Eigenvectorsを使って固有ベクトルを求める:
複素数値の対称行列はこれらの特性を持たなくてもよい点に注意のこと:
対称行列の行列関数はMatrixPowerを含めて対称である:
そして,任意の一変量関数はMatrixFunctionを使って表すことができる:
SymmetricMatrixを使うと対称行列が明示的に構築できる:
これらはSymmetricMatrixQを満足する:
考えられる問題 (1)
SymmetricMatrixQは実数値と複素数値両方の行列に定義 を使う:
これらの複素行列は正規行列である必要も自己随伴(実対称)行列の特性の多くを持つ必要もない点に注意のこと:
HermitianMatrixQは自己随伴行列について条件 を検定する:
おもしろい例題 (1)
FourierMatrixを含む対称行列の画像:
テキスト
Wolfram Research (2008), SymmetricMatrixQ, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SymmetricMatrixQ.html (2014年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2008. "SymmetricMatrixQ." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/SymmetricMatrixQ.html.
APA
Wolfram Language. (2008). SymmetricMatrixQ. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SymmetricMatrixQ.html