InverseGammaDistribution

InverseGammaDistribution[α,β]

逆ガンマ分布(形状母数 α,尺度母数 β)を表す.

InverseGammaDistribution[α,β,γ,μ]

形状母数が α および γ,尺度母数が β,位置母数が μ の,一般化された逆ガンマ分布を表す.

詳細

予備知識

  • InverseGammaDistribution[α,β,γ,μ]は,区間上で定義され,実数 μ(「位置母数」と呼ばれる),2つの正の実数 αγ(「形状母数」と呼ばれる),正の実数 β(「尺度母数」と呼ばれる)でパラメータ化された連続統計分布を表す.全体的に見て,逆ガンマ分布の確率密度関数(PDF)は,大体において単一の峰(最大値)を持つ単峰性で,母数 μ がPDFの水平位置を決定し,母数 αβγ が全体的な形状(高さ,広がり, 軸周辺集中度)を決定する.加えて,PDFの裾部は,PDFが の大きい値について代数的というよりむしろ指数的に減少するという意味で「薄い」(この動作は分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に正確にできる).4母数の形は一般化された逆ガンマ分布と呼ばれることがあるのに対し,2母数の形InverseGammaDistribution[α,β]InverseGammaDistribution[α,β,1,0]に等しい)は,しばしば「逆ガンマ分布そのもの」と呼ばれる.
  • InverseGammaDistribution[α,β,γ,μ]は,一般化されたガンマ分布の確率変数の逆数が従う分布である.言葉を変えるなら, が確率変数でXGammaDistribution[α,β,γ,μ] は「分布に従う」を表す)なら,1/XInverseGammaDistribution[α,β,γ,μ]である.ベイズ確率では,逆ガンマ分布は,分散が未知である正規分布に従うデータの推論に無情報事前分布あるいは情報事前分布が使われた場合に,周辺事後分布あるいは共役事前分布としてそれぞれ使われる.逆ガンマ分布とその一般化は,信頼性理論,生産システム,機械学習,生存分析等の分野の研究ツールとして使われており,他にも種々雑多な面でベイズ統計学に応用されている.
  • RandomVariateを使って,逆ガンマ分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,InverseGammaDistribution[α,β,γ,μ]](より簡略な表記では xInverseGammaDistribution[α,β,γ,μ])を使って,確率変数 x が逆ガンマ分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 逆ガンマ分布の確率密度関数および累積分布関数は,PDF[InverseGammaDistribution[α,β,γ,μ],x]およびCDF[InverseGammaDistribution[α,β,γ,μ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が逆ガンマ分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック逆ガンマ分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを逆ガンマ分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号逆ガンマ分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号逆ガンマ分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換された逆ガンマ分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って逆ガンマ分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って逆ガンマ分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • InverseGammaDistributionは他の数多くの分布と密接に関係している.例えば,InverseGammaDistributionは,InverseGammaDistribution[ν/2,1/2]のPDFがInverseChiSquareDistribution[ν,1/ν]と厳密に等しいという意味で,InverseChiSquareDistributionに(したがってChiSquareDistributionに)関係している.InverseGammaDistributionPearsonDistributionで一般化され,LevyDistributionを一般化し,MoyalDistributionLogGammaDistributionErlangDistributionBetaDistributionExpGammaDistributionRayleighDistributionChiDistributionWeibullDistributionStudentTDistributionを含む他の多くの分布と密接な関係がある.

例題

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  (8)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

中央値:

一般化された逆ガンマ分布のための確率密度関数:

一般化された逆ガンマ分布のための累積分布関数:

一般化された逆ガンマ分布の平均と分散:

中央値:

スコープ  (10)

逆ガンマ分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

このヒストグラムを確率密度関数と比較する:

逆ガンマ分布を生成する一組の擬似乱数の集合を生成する:

このヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度は形状母数 α のみに依存する:

α が大きくなるにつれて分布がより対称に近付く:

生成されたケースは αγ の両方に依存する:

尖度は形状母数 α のみに依存する:

α に近付くにつれて歪度はNormalDistribution[]の歪度に近付く:

生成されたケースは αγ の両方に依存する:

母数の関数としての閉形式の種々のモーメント:

Moment

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

一般化された逆ガンマ分布の種々のモーメント:

Moment

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

ハザード関数:

一般化された逆ガンマ分布のハザード関数:

分位関数:

一般化された逆ガンマ分布:

母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:

平均量を求める:

アプリケーション  (1)

利率がシフト ,ボラティリティ でWiener過程に従う場合の1ドルの現在の確率論的永続性はInverseGaussianDistributionに従う:

期待現在価値を求める:

変動予想率がない場合の極限を計算する:

組み込みの結果と比較する:

現在価値が変動予想率がない場合の極限よりも小さい確率を求める:

r0.06かつ σ0.01の場合の確率を計算する:

特性と関係  (8)

逆ガンマ分布は正の因子によるスケーリングの下では閉じている:

一般化された逆ガンマ分布は平行移動と正の因子によるスケーリングの下では閉じている:

他の分布との関係:

InverseChiSquareDistributionは逆ガンマ分布の特殊なケースである:

一般化されたInverseChiSquareDistributionは逆ガンマ分布の特殊ケースである:

逆ガンマ分布とGammaDistributionは互いに逆の関係にある:

LevyDistribution[0,σ]は逆ガンマ分布の特殊ケースである:

逆ガンマ分布はタイプ5のPearsonDistributionの特殊ケースである:

一般化された逆ガンマ分布は簡略されて逆ガンマ分布になる:

考えられる問題  (2)

αβ のどちらかが正の整数ではない場合には,InverseGammaDistributionは定義されない:

有効ではない母数を記号的出力に代入すると無意味な結果になる:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ β のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2008), InverseGammaDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/InverseGammaDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2008), InverseGammaDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/InverseGammaDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2008. "InverseGammaDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/InverseGammaDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2008). InverseGammaDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/InverseGammaDistribution.html

BibTeX

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BibLaTeX

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