FourierSinTransform
FourierSinTransform[expr,t,ω]
expr の記号フーリエ正弦変換を与える.
FourierSinTransform[expr,{t1,t2,…},{ω1,ω2,…}]
expr の多次元正弦フーリエ変換を与える.
詳細とオプション
- フーリエ(Fourier)正弦変換は,フーリエ変換を複素数や負の周波数を必要とせずに見る特別の方法である.
- ジョセフ・フーリエ(Joseph Fourier)は,彼の有名な変換を,これとフーリエ余弦変換を使って設計した.これらの変換は,信号処理,統計,画像および動画の圧縮等に現在も使われている.
- 時間領域関数 のフーリエ正弦変換は,については周波数領域関数 である.
- 関数 のフーリエ正弦変換はデフォルトでは で定義される.
- 関数 の多次元フーリエ正弦変換は,デフォルトで,,ベクトル表記を使っているときは と定義される.
- 別の定義はオプションFourierParametersを使用して指定できる.
- 積分は,第3引数の が数値で与えられた場合は数値メソッドを使って計算される.
- 漸近逆フーリエ正弦変換はAsymptoticを使って計算できる.
- 次は,関連するいくつかのフーリエ変換である.
-
FourierTransform 無限連続時間関数(FT) FourierSequenceTransform 無限離散時間関数(DTFT) FourierCoefficient 有限連続時間関数(FS) Fourier 有限離散時間関数(DFT) - フーリエ正弦変換は,導関数が急速に減少する関数のSchwartzベクトル空間では自己同形であり,その双対において自己同形に誘導される.これには,絶対可積分関数,多項式の増加の性質の好ましい関数,コンパクトにサポートされた分布が含まれる.
- したがって,FourierSinTransformはで絶対可積分関数に使えるだけでなく,効果的に変換できる関数または一般化された関数のプールを拡大するために,DiracDeltaのようなさまざまな緩増加分布にも使うことができる.
- 次は,使用可能なオプションである.
-
AccuracyGoal Automatic 目標確度の桁数 Assumptions $Assumptions パラメータについての仮定 FourierParameters {0,1} フーリエ正弦変換を定義するパラメータ GenerateConditions False パラメータについての条件を含む答を生成するかどうか PerformanceGoal $PerformanceGoal 最適化するパフォーマンスの局面 PrecisionGoal Automatic 目標精度の桁数 WorkingPrecision Automatic 内部計算精度 - 次は,FourierParametersのよく使われる設定である.
-
{0,1} {1,1} {-1,1} {0,2Pi} {a,b}
例題
すべて開くすべて閉じる例 (6)
スコープ (37)
基本的な用法 (3)
代数関数 (3)
指数関数と対数関数 (3)
三角関数 (3)
特殊関数 (8)
Sinc関数を含む式のフーリエ正弦変換:
ExpIntegralEiのフーリエ正弦変換:
Erfの変換:
Erfcの変換:
SinIntegralを含む式:
BesselJ関数の正弦変換:
BesselY関数の正弦変換:
区分関数と分布 (4)
周期関数 (2)
一般化された関数 (4)
HeavisideThetaを含む式のフーリエ正弦変換:
DiracDeltaを含むフーリエ正弦変換:
HeavisideLambdaを含むフーリエ正弦変換:
HeavisidePiを含むフーリエ正弦変換:
多変量関数 (2)
オプション (8)
AccuracyGoal (1)
オプションAccuracyGoalは確度の桁数を設定する:
Assumptions (1)
BesselJのフーリエ正弦変換は区分関数である:
FourierParameters (3)
さまざまなパラメータを持った単位ボックス関数のフーリエ制限変換:
逆変換を得るためには同じFourierParameters設定を使う:
GenerateConditions (1)
GenerateConditions->Trueを使って結果が有効となる場合に必要なパラメータ条件を得る:
PrecisionGoal (1)
オプションPrecisionGoalは,積分における相対的な許容範囲を設定する:
WorkingPrecision (1)
WorkingPrecisionが指定されている場合,計算はその作業精度で行われる:
アプリケーション (4)
常微分方程式 (1)
偏微分方程式 (1)
,について無限拡散問題を解く.のときの初期条件 でである.境界条件は のとき である:
DSolveValueと比較する:
特性と関係 (4)
FourierSinTransformと比較する:
Asymptoticを使って漸近近似を計算する:
FourierSinTransformとInverseFourierSinTransformは互いに逆関数である:
FourierSinTransformとFourierTransformの結果は,奇関数については という因数の分だけ異なる:
考えられる問題 (1)
逆フーリエ正弦変換の結果はもととは同じ形式ではないかもしれない:
フーリエ正弦変換はDiracDelta等の一般化された関数によって与えられることがある:
おもしろい例題 (2)
テキスト
Wolfram Research (1999), FourierSinTransform, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierSinTransform.html (2025年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1999. "FourierSinTransform." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2025. https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierSinTransform.html.
APA
Wolfram Language. (1999). FourierSinTransform. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FourierSinTransform.html