ComplexArrayPlot

ComplexArrayPlot[array]

配列 array 中の複素値 zijが,Arg[zij]が色で,Abs[zij]が陰影で示される正方形の離散配列で表示されたプロットを生成する.

詳細とオプション

  • ComplexArrayPlotは,複素数の表の可視化に使われる.
  • ComplexArrayPlot[array]は,デフォルトで,ちょうど表や格子が通常フォーマットされるように,mn 次元の array の連続する行をページの下に向かって,連続する列を横に向かって並べる.
  • ComplexArrayPlotは,Arg[zij]の値に循環的な色関数を使い,Abs[zij]の値を示すためには陰影を使う.法が大きい複素数は法が小さい数よりも明るい色になる.
  • ComplexArrayPlot[array]array は次の形でよい.
  • {{z11,z12,,z1n},,{zm1,zm2,,zmn}}zij
    SparseArray通常の配列としての値
    NumericArray通常の配列としての値
    Dataset通常の配列としての値
  • zijには,次の特別な項目を使うことができる.
  • None背景色
    色指示子指定の色
  • array が不調和配列のときは,短い行の右側が背景色で充填されたものとして扱われる.
  • ComplexArrayPlotには,Graphicsと同じオプションに以下の追加・変更を加えたものが使える. [全オプションのリスト]
  • AspectRatio Automatic縦横比
    ClippingStyle None値が切り取られたセルをどのように表示するか
    ColorFunction Automatic各セルにどのように彩色するか
    ColorFunctionScaling TrueColorFunctionの引数をスケールするかどうか
    ColorRules Automatic値から色を決める規則
    DataRange All仮定する の値の範囲
    DataReversed False行の順序を逆にするかどうか
    FrameAutomaticプロットの周りに枠を描くかどうか
    FrameLabelNone行と列のラベル
    FrameTicksNone枠にどのような目盛を含めるか
    MaxPlotPoints Infinity含める点の最大数
    Mesh Falseメッシュを描くかどうか
    MeshStyle GrayLevel[GoldenRatio-1]メッシュのスタイル
    PerformanceGoal$PerformanceGoalパフォーマンスのどの面を最適化するか
    PlotLegends Noneデータ集合の凡例
    PlotRange Allプロットする値の範囲
    PlotTheme $PlotThemeプロットの全体的なテーマ
    TargetUnitsAutomaticプロット中に表示する単位
  • ColorRulesで与えられる規則は各セルの値 に適用される.規則はパターンを含んでいてもよい.
  • ColorRulesの中に適用される規則がない場合は,ColorFunctionを使って色が決定される.
  • デフォルト設定のColorRules->Automaticでは,ColorRulesの代りに明示的な設定のColorFunctioncfunc が使われる.
  • ColorFunction->{cfunc,sfunc}cfunc を使って基調色を生成し,sfunc を使って特徴をハイライトするための色を調整する.
  • 次は,sfunc に使用可能な名前付きの設定である.
  • AutomaticAbs[z]に基づく自動陰影付け
    "MaxAbs"Abs[z]の大きな値の明るい陰影付け
    "LocalMaxAbs"Abs[z]の上四分の1の明るい陰影付け
    "GlobalAbs"Abs[z]の小さい値(暗い)から大きい値(明るい)への陰影付け
    "QuantileAbs"Abs[z]の分位点に基づいた,暗から明への陰影付け
    "CyclicLogAbs"Log[Abs[z]]の暗から明への循環的陰影付け
    "CyclicArg"Arg[z]の暗から明への循環的陰影付け
    "CyclicLogAbsArg"Log[Abs[z]]Arg[z]の循環的陰影付け
    "CyclicReImLogAbs"Re[z]Im[z]の暗い循環とLog[Abs[z]]の明るい循環
    "ShiftedCyclicLogAbs"閾値の後ろのLog[Abs[z]]の循環的陰影付け
    None陰影付けはなし
  • ColorFunction中の関数には,デフォルトで,Re[z]Im[z]Abs[z]Arg[z]のスケールされたバージョンが渡される.
  • 特定のセルのために決定された色がNoneのとき,そのセルは背景色で描画される.
  • 特定のセルの色が決定されていないとき,そのセルはデフォルトの暗赤色で描画される.
  • DataReversed->Trueのときは,行が下から上に並んで最後の行が一番上になるように行の順序が反転される.
  • FrameTicks->Automaticの設定のとき,目盛は丸めた整数(通常は5あるいは10の倍数)に置かれる.
  • FrameTicks->Allの設定のとき,目盛は最小値 と最大値 にも置かれる.
  • 明示的なFrameTicks指定がある場合は,目盛座標は を参照するものと解釈される.
  • PlotRangeは以下の形式でよい.
  • zmax0から zmaxまでのAbs[zij]の値を表示する
    {zmin,zmax}zminから zmaxまでのAbs[zij]の値を表示する
    {rangei,rangej}i の範囲が rangeij の範囲が rangejzijの値を表示する
    {rangei,rangej,rangez}i の範囲が rangeij の範囲が rangejzijkの範囲が rangezzijkの値を表示する
  • rangeiから rangejまでの配列指標は以下の形式でよい.
  • maxmin から max までの指標を含む
    Allすべての指標を含む
  • 次は,PlotLegendsのよく使われる設定である.
  • None凡例なし
    Automatic凡例を自動決定する
    Placed[lspec,]凡例の置き方を指定する
  • Mesh->Trueのときは,配列のすべてのセルの間にメッシュラインが描画される.
  • Mesh->{mi,mj}は, の方向のメッシュ指定を順に与える.
  • デフォルト設定のFrame->Automaticのときは,Mesh->Falseのときしか枠が描画されない.
  • 他のグラフィックスと組み合せる目的では,配列要素 は座標位置 , を中心とする単位正方形を覆うものとみなされる.
  • 設定DataRange->{{xmin,xmax},{ymin,ymax}}は,連続するセルの中心が水平方向に xminから xmaxまで,垂直方向に yminから ymaxまでの等間隔の位置にあるものとする.デフォルト設定のDataReversed->Falseのときは,の中心は{xmin,ymax}である.
  • デフォルト設定のDataRange->AllおよびDataReversed->Falseのとき,配列要素 は座標位置 , を中心とする単位正方形を覆うものとみなされる.
  • 全オプションのリスト

例題

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  (6)

数の配列をプロットする:

明示的な色指示子で個々のセルの色を指定する:

全体的な色規則を指定する:

メッシュを含める:

データの表をプロットする:

標準的な混色を色関数として使用する:

スコープ  (14)

データ  (8)

デフォルトで,色は引数によって(シアン),(赤) (シアン)と変化する:

デフォルトで,法が大きい複素数の色は薄くなる:

未知の,記号的な,あるいは欠落している値は暗い赤で示される:

セルに明示的な色を指定する:

右側を充填して不調和配列をプロットする:

Noneの値を持つセルは背景のように描画される:

疎な配列をプロットする:

数値配列をプロットする:

プレゼンテーション  (6)

メッシュを加える:

凡例を加える:

デフォルトの陰影付けをオフにする:

色関数を変える:

ComplexPlotのような陰影付けスキームを使う:

色関数と陰影付けスキームを選択する:

オプション  (71)

AspectRatio  (4)

デフォルトで,プロットの縦横比は自動的に決定される:

数値を使って縦横比を指定する:

AspectRatio1として縦と横を等しくする:

AspectRatioFullとすると他の構造物にぴったり収まるように縦横が調整される:

Axes  (4)

デフォルトで,ComplexArrayPlotは軸ではなく枠を使う:

枠の代りに軸を使う:

AxesOriginを使って軸の交点を指定する:

各軸を個別に表示する:

AxesLabel  (3)

デフォルトで,軸ラベルは描画されない:

軸にラベルを置く:

軸ラベルを指定する:

AxesOrigin  (2)

軸の位置は自動的に決定される:

軸の原点を明示的に指定する:

AxesStyle  (4)

軸のスタイルを変える:

各軸のスタイルを指定する:

目盛と軸に異なるスタイルを使う:

ラベルと軸に異なるスタイルを使う:

Background  (4)

Backgroundは,通常は辺の周りでしか見えない:

明示的な項目がNoneのときは,常に背景が「透けて見える」:

Backgroundは,デフォルトで,プロット範囲外の値についても透けて見える:

ClippingStyleは背景色を無効にする:

ClippingStyle  (3)

デフォルトでは,TemplateBox[{z}, Abs]のプロット範囲外の の値は背景色で示される:

プロット範囲外の値を赤で示す:

小さい値を黒で,大きい値を赤で示す:

ColorFunction  (9)

デフォルトで,複素数 の値はArg[z]で彩色され,Abs[z]で陰影付けされる:

Abs[z]に基づく陰影付けをオフにする:

法の値0から1をHueに従う色にマッピングする:

純関数を色関数として使う:

ColorDataから名前付きの色勾配を使う:

陰影付けスキームを指定する:

色関数と陰影付けのスキームを指定する:

ColorFunctionScalingTrueとすると,最初に値が0から1に収まるようにスケールされる:

複素値 Re[z]Im[z]Abs[z]あるいはArg[z]で彩色する色関数を使う:

ColorFunctionScaling  (3)

デフォルトで,色関数を適用する前に,0から1の間になるように値をスケールする:

色関数を適用する前に引数をスケールしないようにする:

色関数の中には循環的ではないために色が小さい範囲でしか変化しないものもある:

ColorRules  (6)

明示的な値についての色の規則を指定する:

パターンについての色の規則を指定する:

適用される色規則がないときはColorFunctionが使われる:

配列は記号値を含むことができる:

_についての規則を加えることで「デフォルトの色」を実装する:

規則は与えられた順序で使われる:

DataRange  (5)

デフォルトで,データは整数座標でプロットされる:

データの範囲を指定する:

データの範囲を複素数のペアで指定する:

データ範囲の左下のコーナーを指定する:

データ範囲の右上のコーナーを指定する:

DataReversed  (4)

行の順序を反転させる:

枠目盛はもとの行番号を与える:

行と列の順序を反転させる:

列の順序を反転させる:

Epilog  (3)

Epilogを使って他のグラフィックスを上に重ねる:

Epilogは標準的なGraphics座標系を使う:

グラフィックスは半透明である:

MaxPlotPoints  (1)

MaxPlotPointsを使って各方向に明示的にプロットされる要素数を制限する:

Mesh  (4)

すべてのセル間にメッシュラインを挿入する:

1行3列のメッシュラインを挿入する:

最初の4列だけにメッシュラインを挿入する:

メッシュラインのスタイルを指定する:

MeshStyle  (2)

メッシュラインにスタイルを付ける:

行と列のラインのスタイルを変える:

PlotLegends  (5)

デフォルトでは凡例は使われない:

凡例を自動的に生成する:

PlotLegendsは名前付きのColorFunctionを自動的に拾い上げる:

PlotLegendsはユーザ定義のColorFunctionは拾わないが,ユーザが適切な凡例を作ることはできる:

Placedを使って凡例の位置を変える:

PlotRange  (4)

全要素をプロットする:

1Abs[z]2である の値をプロットする:

Abs[z]2である の値をプロットする:

PlotRangeの最初の2つの項目で含める行と列の範囲が指定される:

PlotTheme  (1)

細かい目盛と凡例があるテーマを使う:

凡例をプロットの下に移動する:

アプリケーション  (18)

フーリエ変換  (6)

純粋に離散的な二次元正弦波を生成する:

二次元フーリエ変換を計算する:

もとのデータとそのフーリエ変換を表示する.2番目のプロットの(左上コーナーから数えて)第4行第6列の明るい正方形は,対応する周波数がそれぞれ3と5であることを示している:

離散正弦波の線形結合を生成する:

フーリエ変換における成分の周波数を識別する:

二次元データとそのフーリエ変換を表示する:

ColorRulesを使ってフーリエ変換の閾値を指定する:

フーリエ変換の左上四分の1だけを表示する:

小さい円形の開口部によって回析された光の強度をモデル化する:

回析とそのフーリエ変換を表示する:

データを作り,その列を左にシフトさせる:

フーリエ変換の大きさはグラフ化されるが,それによって潜在的に有益な位相情報が明らかにされることはない.真ん中のプロットにある余分な情報を観察する:

フーリエ変換によるComplexArrayPlotの変化とArrayPlotにおける変化の不在に注目のこと:

行列表現  (3)

複素数の項目がある疎な配列をプロットする:

複素数値の乱数行列をプロットする:

行列が対角化されたことを視覚的に確認する:

行列を行列分解で可視化する:

クロネッカー(Kronecker)積を視覚的に比較する:

関心流域  (2)

根が1と±2π /3にある複素値関数を定義する:

対応するニュートン写像を計算する:

さまざまな開始値について の根の近似を計算する:

注目すべき領域を表示する:

無限の数の根,を持つ複素数値関数を定義する:

対応するニュートン写像を計算する:

根にはの異なる3つの引数値しかない点に注意のこと:

さまざまな開始値で の根の近似を計算する:

根の法に対する依存性を陰影でハイライトして,注目すべき領域を表示する:

根が1と±2π /3にある複素数値関数を定義する:

ニュートン法は二次収束するが,Halley法は三次収束である:

の根の近似をさまざまな開始値で計算する:

Halley法について注目すべき領域を表示する:

行列スペクトル  (2)

2パラメータの行列族から固有値を表示する:

行列を定義する:

その固有値を計算する:

行列 ϵ 擬似スペクトルは,(m-λ I)-1のノルムが1/(epsilon)より大きい複素平面上の値 の集合である.ϵ=1,1/2,1/4,1/8,1/16,1/32について ϵ 擬似スペクトルをグラフにし,白い点における固有値に注目する:

(m-λ I)-1のノルムの代りに最大固有値を使うと,引数情報を加えることができる:

テプリッツ(Toeplitz)行列を作成する:

ϵ 擬似スペクトルプロットに似たプロットを作成する:

名前付きの行列を使う:

スペクトルのポートレートに似たグラフを作成する:

反復系  (3)

複素数のセルオートマトンを可視化する:

複素数値関数の反復を計算する:

幅10でデータを表示する:

反復は別の定数に収束するように見える:

反復は注意深く選択された定数について周期的である:

が複素係数 を持つロジスティック関数であるとする.数列 , (ただし)について考える.が非有界である の値を近似し,領域を可視化する:

その他  (2)

ガウス(Gauss)素数を黒でハイライトする:

フーリエ(Fourier)行列をプロットする:

純粋に実数の項目と純粋に複素数の項目をハイライトする:

特性と関係  (5)

ComplexArrayPlotは複素値をその引数で彩色し,ComplexPlotのようにその法で陰影付けする:

ComplexArrayPlotは,複素値の引数に適用されたArrayPlotMatrixPlotに似ている:

GridComplexArrayPlotと同じように要素を並べる:

RasterComplexArrayPlotと相対的に要素を上下反対に並べる:

ArrayPlot3Dは,データの3D配列に使うことができる:

Wolfram Research (2020), ComplexArrayPlot, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ComplexArrayPlot.html.

テキスト

Wolfram Research (2020), ComplexArrayPlot, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ComplexArrayPlot.html.

CMS

Wolfram Language. 2020. "ComplexArrayPlot." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/ComplexArrayPlot.html.

APA

Wolfram Language. (2020). ComplexArrayPlot. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ComplexArrayPlot.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_complexarrayplot, author="Wolfram Research", title="{ComplexArrayPlot}", year="2020", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/ComplexArrayPlot.html}", note=[Accessed: 21-November-2024 ]}

BibLaTeX

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